新生・健大高崎 代名詞「機動破壊」もかすむ強打 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第1日の19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、昨秋の関東大会を制した健大高崎(群馬)が第3試合で、下関国際(山口)に6―2で勝利した。健大高崎のセンバツ勝利は8強入りした第89回大会(2017年)以来4年ぶり。 【健大高崎VS下関国際の試合を写真特集で】 下位打線とは思えない豪快なスイングから放たれた打球が、軽々と外野の頭上を越えた。健大高崎は二回1死一塁から7番・伊藤が先制の適時二塁打を放つと、2死後に9番・高松の左翼線二塁打でさらに1点。「1番から9番まで、どこからでも強い攻撃ができる」と先制のホームを踏んだ森川が胸を張る打線で主導権を握ると、終盤は中軸も打って試合を決めた。 健大高崎といえば、走塁で重圧をかける「機動破壊」が代名詞だが、今年のチームは機動力がかすむほど強打が際立つ。昨秋は公式戦10試合で出場校中トップの15本塁打。森川は1本、伊藤は2本のアーチをかけるなど強打で関東大会2連覇を果たした。 19年に就任した赤堀佳敬コーチが盛岡大付(岩手)での指導時に学んだ「モリフメソッド」と呼ばれる打撃練習法で打力を上げた。快速球を誇った花巻東(岩手)の大谷翔平(現大リーグ・エンゼルス)対策として、盛岡大付の関口清治監督が求めたのは球威のある球を強く打ち返すために、ボールを点ではなく線で捉える打撃法。そのために低めの変化球を見極める技術を身に付け、土台となる肉体の強化に励んできた。 「機動破壊だけでは通用しない。打ち勝てるチームにシフトした」と青柳監督。「機動破壊」に強打を加え、過去最高の4強超えを目指す。【吉見裕都】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。