年齢構成でみるJリーグの今
来季49歳を迎える横浜FC三浦知良が現役最年長選手として活躍する一方で、高校年代の選手もプロとして同じピッチに立ち、レギュラーを目指してしのぎを削るのがJリーグの世界。以前に比べて選手生命が延びてきたことにより、その年齢構成にも幅が出ているように感じる。今回はそんなJリーグを構成する選手、監督、審判員らの年齢構成が現時点でどのようになっているのか、検証していきたい。
■「ドーハ世代」監督の躍進
まずは監督の年齢層から。2015年シーズンにJ1/J2で監督を務めた人物の年齢をまとめたものが表1-1となっている。 監督の平均年齢はJ1=51.7歳、J2=49.0歳で、J2の監督の方が少し低い結果が出ている。また年代別構成比率(表1-2)では、J1が40、50、60代の監督がそれぞれ指揮をとっているのに対し、J2は60代がゼロ。代わりに40代監督の比率が全体の55%を占める形となっている。
今季J1=年間10位まで、J2=年間6位までの成績を収めた監督が黄枠だが、こちらでも40代監督の躍進が目立っている。3度目の優勝を果たした広島・森保監督を筆頭に、J2優勝の渋谷監督、鹿島を立て直した石井監督、1年目でJ1昇格を果たした井原監督など、「ドーハ世代」と言われた世代の人物たちが監督に就任し、好成績を収めている。さらに、その1つ下の「フランスW杯世代」にあたる名波らも監督として実績を残し始めており、これまでの実績重視の監督よりも、将来性を買っての監督を起用する方が主流のように思われる。
■あらためて分かるカズの凄さ
続いて選手の年齢構成について考えてみたい。表2-1にはリーグ全体/J1/J2/J3に所属する選手たちの年齢構成をまとめた。リーグ平均年齢は26.07歳で、1番多い年齢層は23歳の144人で、全体の9%を占めている。J2、J3はリーグ全体同様23歳の選手が1番多くなっているが、J1では26歳が1番という結果が出ている。また、コアな年齢層という点でもJ1は24~30歳くらいの選手、J2では20~30歳くらいの選手層が厚く、チームを構成する年齢層にも違いが現れている。J1チームが有望若手選手をJ2へレンタルで武者修行させるJ1/J2の関係性も反映された数値といえるのではないだろうか。