上位3チームが実質0.1秒以内に。アップデートが勝敗を分ける? フェラーリF1代表、開発スピード加速の重要性を強調
母国戦であるF1エミリア・ロマーニャGPにフェラーリは、大型アップデートを投入して挑んだが、優勝には届かなかった。 F1メカ解説|大規模アップデート投入でレッドブルを追えっ! フェラーリがイモラに投入する新パッケージを解説 レッドブルやマクラーレンに先行を許したものの、フェラーリのフレデリック・バスール代表は3チームのパフォーマンスにはさほど差はないと考えており、今こそ開発スピードを加速する必要があると語った。 フェラーリとしてはイモラでシャルル・ルクレールが3位表彰台を獲得し、カルロス・サインツJr.が5位に入ったが、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝。そこに肉薄したのはマクラーレンのランド・ノリスだった。 抜きにくいコース特性上同じようなタイヤ戦略ではオーバーテイクがほぼ不可能なため、予選を終えた時点で事実上エミリア・ロマーニャGPでの敗北は決まっていたとバスール代表は考えており、「予選で1-2になれば決勝でも1-2フィニッシュができると思う」と語った。 予選フロントロウを獲得したマクラーレンのオスカー・ピアストリにペナルティが出たため、ルクレールとサインツJr.はスタートポジションがひとつ繰り上がりとなったものの、純粋な予選タイムではルクレールとサインツJr.が4~5番だった。 ルクレールは、レッドブルやマクラーレンに比べ、ストレートでラップタイムを落とす不完全なパワーセッティングを悔やんだが、トップ4が0.2秒以内という結果は、いかにレッドブル、フェラーリ、マクラーレンのパフォーマンスが拮抗しているかを示している。 実際、フェルスタッペンのポールラップは、ハースのニコ・ヒュルケンベルグのトウ(スリップストリーム)を得て記録したものであり、そのアドバンテージがなければマクラーレンの予選1-2となっていた可能性もあった。そしてそうなれば、3チームのタイム差は0.1秒強に縮まるはずだった。 レース終盤でも、フェルスタッペンを前戦優勝のノリスが追い詰めるなど、ここ2年間で見られたレッドブルの圧倒的なアドバンテージはもはや見られなかった。 バスール代表曰く、実際の0.1秒というタイム差こそ、チームが開発をさらに加速させなければならない理由だとしている。現行レギュレーションでは各チームの開発スピードが鈍化していることから、ほんのわずかなアップデートで違いを生み出すことができると考えているのだ。 「我々は今、開発を加速させなければならない段階にいるというのは事実だ」とバスール代表は言う。 「3チームが0.1秒以内にいる時に、どこかがアップデートを投入した状況を想像してみてほしい。5位から1位に躍り出ることができる」 「つまり実戦投入までの時間を短縮しなければならないということだ」 「しかし最後の0.01秒を追い求めることにも注意を払う必要がある。もう0.5秒のアップデートはできないのだ」 「投入するモノが機能しているかどうかも確認しなければならない。それが次の2~3戦での重要なファクターとなる」 神は細部に宿ると言うように、ドライバーやファクトリーの後方支援チーム、ストラテジストなど、様々な部門が力を発揮してこそ、グランプリの勝利を掴むことができる。 「0.1秒に3チームがいれば、ひとつひとつの要素が勝負の分かれ目になる」 バスール代表はそう付け加えた。 「競争はいたるところで繰り広げられると思う。来週のモナコではマシンのセットアップが重要になるだろうし、ドライバーのパフォーマンスも重要だ」 「F1にとっては良いニュースだし、チャンピオンシップにとっても良いニュースだ。70周(正しくは63周)を終えて3チームが7秒差。1周あたり0.1秒以下の差だ」 またバスール代表は、フェラーリがイモラのアップデートの効果を正しく判断するためには、数戦が必要だと慎重な姿勢を見せた。 しかしアップデートの効果は、マクラーレンがマイアミで投入したモノに匹敵するはずだったというフラストレーションもバスール代表の心中にはあるようだ。 「全体的には複雑な心境だ。我々が一歩前進したことと、マクラーレンがやったことはおそらく同じだからね」 「部分的にはレッドブルとの差を詰めた。我々はそれほど離されていない
Filip Cleeren