今国会のキーワード「丸投げ」「独りよがり」「腰砕け」を須田慎一郎が解説 「2024年度予算案」衆院本会議で可決
徹底抗戦すると、進めている野党共闘の動きが水泡に帰してしまうことを恐れた立憲民主党
須田)「このまま自公政権に任せていたら、この国はあらぬ方向に行ってしまう」というところで、とりあえず「連立政権を組もうではないか」という動きです。まだ合意されたわけではないですが。 飯田)そうすると、あそこでそっぽを向かれてしまったのは……。 須田)強気に出て、最後まで抵抗戦略を貫いていたら、おそらく3月2日の予算案可決はできなかったと思います。立憲民主党がなぜ「腰砕け」になったかと言うと、そういう水面下の動きを意識してのことではないかと、私は見ています。 飯田)不信任決議案や解任決議案が出されると、まず本会議を開き、それを審議しなくてはならない。そういう国会ルールがありますが、法律を9つくらい用意していたという話もあり、当時はまだ2つ、3つぐらいしか出していなかった。ある野党議員は「まだやれることがあったのに、なぜあそこで止めてしまったのか」と不思議がっていました。 須田)政策論争ではなく徹底抗戦に対しては、維新の会も国民民主党も否定的でした。先祖返りしてしまうと反発を招き、水面下で進めていた動きが水泡に帰してしまうので、(立憲民主党が)恐れたのではないかと思います。
長崎の補選についても森山裕総務会長に丸投げの茂木幹事長
飯田)参院でも政倫審を行うという話が出ています。次の野党の戦略はどうなりますか? 須田)参院で政倫審を開き、なおかつ証人喚問を行おうとするわけです。しかし、もはや予算案という人質はないわけですから、与党は全部突っぱねておけばいい。しかし、国民世論の不信を呼んでしまうので、適当なところで政倫審に何人か出すとなると、「それは緊張感があるのだろうか?」と思います。まったくないですよね。野党も強気に出られないし。 飯田)低空飛行を続けながら、4月28日の補選に進むのが与党側の戦略なのですか? 須田)実を言うと、茂木幹事長は補欠選挙についても丸投げしています。 飯田)衆院長崎3区の補欠選挙は、茂木幹事長と長崎県連が協議していたようですが。 須田)それを調整したのも森山裕総務会長です。小渕優子さんも選対を仕切れないので、丸投げ状態です。 飯田)全部森山さんが対応している。 須田)その間、茂木さんは3回生・4回生議員を集めて会食を行っています。その心は総裁選にあるのです。自民党が困っている時期なのに。 飯田)「大将を支えよう」というわけではないのですね。