今国会のキーワード「丸投げ」「独りよがり」「腰砕け」を須田慎一郎が解説 「2024年度予算案」衆院本会議で可決
本来であれば政倫審の調整をするべきところを森山裕総務会長に「丸投げ」した茂木幹事長
須田)西村康稔さんと武田良太さんの2人に減っていた。加えて、西村さんが「やはり出られない」となり、それを受けた武田さんも「俺1人なのか?」ということで出席を拒否し、0人になった。ここで官邸がバタバタし始めるのです。 飯田)西村さんがフッといなくなってしまい、武田さんも「1人は勘弁してくれ」となったのですね。 須田)それまで、1人ひとりの出席予定者と会って面談・調整していたのは森山裕総務会長でした。しかし本来、それを行うべきは茂木幹事長なのです。 飯田)党の話でもあるし、総裁はいるけれど、実質的には回していくトップですからね。 須田)最高責任者です。それなのに茂木さんが「俺はやらない」となってしまって、森山さんに丸投げした。
野党にも与党にも根回しせず、独りよがりで政倫審への出席を勝手に決めてしまった岸田総理
須田)ところが、岸田首相が勝手に出席を決めてしまった。森山さんにとっては寝耳に水で「聞いてないよ」という状況になり、一気に大混乱となってしまった。一方で森山さんは安住淳国対委員長とやり取りをしており、自民党のなかでは、実質的な国対委員長は森山さんがやっているようなものでした。 飯田)一応、ポストとしては浜田靖一さんですけれど。 須田)人間関係がまだ確立していないものですから。 飯田)もともと森山さんは長かったですからね。 須田)なおかつ、浜田さんの前の高木毅さんの時代も、安住淳さんは「高木さんは相手にしない。俺が相手をするのは森山さんだけだ」と言っていたため、この2人はいい関係にあったのです。ところが、森山ルートで岸田首相が出席する話が入ってこなかったものだから、立憲民主党は「どうなっているのだ」と大慌てになる。これが岸田首相の独りよがりです。野党にも与党にも根回しせず、「俺が出ればみんな出るだろう」と1人で勝手に決めてしまった。それを慌てて森山さんが調整したのです。総理が出ると言えば相当重みがありますから。 飯田)やらないわけにはいかなくなる。