今国会のキーワード「丸投げ」「独りよがり」「腰砕け」を須田慎一郎が解説 「2024年度予算案」衆院本会議で可決
立民・山井氏の長時間演説への日本維新の会と国民民主党の反発で腰砕けになり、予算案採決へ
須田)2月28日になって、ようやく政倫審の開催が決まりました。そして28~29日にかけ、野党に対して予算委員会の日程調整に入っていくわけです。3月1日に総括質疑を行い、可否を問う流れになったのですが、全然時間が足りない。それを何とか3月2日、あるいは4日にずれ込ませようというのが野党の戦略でした。ところが首相の意向もあり、自民党サイドが委員長職権で3月1日に強行採決を行おうとした。それで激しい攻防になり、予算委員長の解任決議案や、鈴木財務大臣の不信任決議案を相次いで出そうとしたのですが、あまりにも議事妨害のような形で長時間やったものだから……。 飯田)立憲民主党の山井氏が長時間演説を行いました。 須田)2時間を超えたこともあって、日本維新の会と国民民主党が反発したのです。それで腰砕けになってしまい、3月1日に採決する流れになった。ここがポイントです。
選挙協力する立憲民主党、共産党、日本維新の会、国民民主党の「緩やかな野党共闘」が水面下で動いている
須田)ところが、いつも開かれるはずの安住淳国対委員長のぶら下がり会見が開かれなかった。どうして1日の採決をのんだのかなど、現在もよくわかっていないのです。ただ、これまでの状況を見ると「これしかない」と思うことが1つあり、それが選挙をめぐっての野党共闘です。まだ完全に裏を取り切れていないのですが、次の衆議院選挙においては水面下で立憲、共産、日本維新の会、場合によっては国民民主党も含め、選挙協力が行われそうな動きがあるのです。 飯田)野党共闘。 須田)ただ、すべての候補者を調整するわけではなく、緩やかな野党共闘です。例えば近畿2府4県においては、立憲民主党が新たな候補者を「立てない」とか。 飯田)いま決まっている支部長は、それはそれとして。 須田)そこは維新にお任せする。それ以外については維新も立憲民主党に対して配慮するような、緩やかな形での野党共闘の動きが水面下であるようなのです。 飯田)政策協定などではなく、ある意味「阿吽の呼吸」のような形で。