成年後見制度は法定後見だけではないって本当ですか? FPが任意後見制度を解説
任意後見制度でできること・できないこと
任意後見受任者となっているときですが、本人の認知機能に問題がないですので、法定後見のように本人の代わりとしてすべて代行できるわけではありません。内容によっては本人に委任状を書いていただくことが必要なケースもあります。 移行型の場合、できるだけ本人の希望を聞きつつ、本人ができることを減らさないということも大切なことです。できること・できないことを話し合いつつ、法定後見とは違うということを覚えておいてください。 契約書を公証役場で作成するなど、利用するハードルは高いと感じることもあるでしょうし、「任意後見受任者」や「任意後見監督人」など、聞きなれない言葉を理解するのも大変です。ただし、自分の意思でさまざまなことを決定できる制度ともいえます。 任意後見契約が始まる前に、見守りから始める契約を結んだときに、「任意後見人」ではなく、「任意後見受任者」という立場となります。 この立場では、本人の認知機能に問題ありませんから、法定後見のように本人の代わりとして買い物を取り消すなど、なんでも代理ができるわけではありません。依頼された内容によっては、本人に委任状を書いていただくことが必要なケースもあります。 成年後見制度は、万能な制度ではありません。安易な利用をしてしまうと、「こんなつもりではなかった」と後悔することもある、かなり複雑な制度です。まずは、どんな問題を解決するために、この制度を利用したいのか、しっかりと理解をしたうえでの利用とすることをお勧めします。 最近はさまざまなサイトでも情報発信がされています。厚生労働省でも「成年後見はやわかり」というサイト(※)で、動画や資料もダウンロードできます。ぜひ参考になさってください。 出典 (※)厚生労働省 成年後見はやわかり 任意後見制度とは(手続の流れ、費用) 執筆者:當舎緑 社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。
ファイナンシャルフィールド編集部