フィリップ・モリス株急騰、通期利益見通し上方修正-ジンの販売好調
(ブルームバーグ): たばこメーカーの米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の株価が22日、急騰した。同社はニコチンパウチ「Zyn(ジン)」の米国での需要急増を追い風に、通期利益が従来予想を上回る見通しを示した。
株価は22日、10%上昇し、2008年10月以来の大幅高。過去最高値を更新し、年初来上昇率は40%と、S&P500種株価指数の23%を大きく上回った。
PMIは「マルボロ」などの紙巻きたばこも製造する。同日の発表によれば、為替変動の影響を除いた調整後の希薄化後1株利益は通期で最大15%増加する見通し。従来予想の13%増から上方修正した。
同社によると、ニコチンを含み上唇または下唇の下に挟んで経口摂取するジンの売り上げは、米国では7-9月(第3四半期)だけで41%増加した。また、ギリシャやドイツなどの市場における加熱式たばこ「IQOS(アイコス)」の需要も売り上げを押し上げているという。
喫煙による健康への影響に対する人々の意識と懸念が高まる中、PMIは紙巻きたばこの代替品へと移行しつつある。これらの代替品は、紙巻きたばこと関連付けられてきた発がん性物質などの含有を低減してはいるが、その人気が高まるにつれ、一度も喫煙したことのない若者たちがジンなどの製品に依存するようになったのではないかという議論が巻き起こっている。
米国でのジンの人気上昇により品薄状態が続いたが、現在は緩和され始めている。同社は7月、米国でジンを製造する新施設に6億ドル(約909億円)を投じると発表した。米国以外での缶入り製品の販売量は、パキスタンと南アフリカ共和国での需要に支えられ70%増加した。
PMIは総売上高に占める無煙たばこ製品の割合を7-9月期の38%から30年までに3分の2に高める計画。
原題:Philip Morris Shares Jump as Zyn’s Booming Sales Bolster Profits(抜粋)