パートナー、9組が宣誓 和歌山県「多様さ認め合う社会に」、制度開始から半年
性的少数者ら2人が、人生のパートナー関係にあると証明する和歌山県の「パートナーシップ宣誓制度」が開始されて半年が過ぎた。県はこれまでに9組(18人)に受領証を交付。「認められてうれしい」と涙を流して喜ぶ人もいたといい、県は「多様な生き方を認め合うことができる社会の実現を目指す」としている。 【パートナーシップ制度を導入 2月から和歌山県の記事はこちら】 法的な結婚が認められない性的少数者について、生活上の障壁をなくすことなどが目的の制度で、2月に制度を開始した。 受領証を受ければ、医療機関でパートナーの病状説明が受けられたり面会できたり、公営住宅の入居申し込みができたりするほか、民間でも生命保険の受取人にパートナーを指定したり、携帯電話の家族割引を受けたりできる。制度開始後も実施機関やサービス内容が拡充されている。 宣誓できるのは、一方か双方が性的少数者で、2人とも婚姻していない、成人に達しているなどの要件を満たした人。県によると、制度が始まった2月に交付したのは3組、3月も3組、4月は2組、6月は1組だった。 県は制度を案内するリーフレットを各振興局や市町村役場に置いているほか、高校への出前講座などで紹介している。今後も行政職員や事業者向け研修会など、あらゆる機会を通じて広報していきたいとしている。 県内市町村では2022年10月、橋本市が初めて同様の制度を導入。その後は、23年4月に那智勝浦町、10月に新宮市、今年4月に串本町と、紀南を中心に広がりつつある。
紀伊民報