李華泳被告は二審も有罪、今年6月に起訴された「共犯」李在明被告はいまだ裁判なし【12月20日付社説】 サンバンウルの対北朝鮮不正送金事件
韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表の側近とされる李華泳(イ・ファヨン)元京畿道平和副知事が「サンバンウル不法対北送金への関与」などの容疑で二審で懲役7年8カ月の実刑が宣告された。この事件は金聖泰(キム·ソンテ)元サンバンウル会長が2019年に李華泳氏の要請を受け、北朝鮮のスマートファーム事業費として500万ドル(約7億9000万円)、李在明京畿道知事(当時)の訪朝費用として300万ドル(約4億7000万円)の総額800万ドル(約12億円)を北朝鮮に代わって送金したというもの。一審の裁判長は一連の容疑を認め李華泳氏に懲役9年6カ月を宣告した。二審の裁判長も容疑を全て認めたが、量刑はやや軽くなった。この結果、事件の事実関係を確定する裁判(事実審)は終了した。 【写真】北朝鮮の李種革・朝鮮アジア太平洋平和委員会副委員長の隣に李在明・京畿道知事と李華泳・副知事(2018年撮影)
残った問題は北朝鮮への送金の「共犯」として起訴された李在明代表の裁判だ。李華泳氏の一審と二審では李在明代表の関与について直接の言及はなかった。李在明代表もこの事件を「捏造(ねつぞう)」と主張している。しかし李在明代表が2019年に4回にわたり自らの訪朝を要請する文書を北朝鮮に送付したことと、北朝鮮がその見返りを要求したためサンバンウルの金聖泰元会長が資金を肩代わりしたことが捜査で明らかになっている。金聖泰元会長は現金を支払った際に北朝鮮の関係者から受け取った領収書まで提出した。一審と二審の裁判長はいずれも一連の事実関係をすでに認めたが、李在明代表の一審裁判はいまだに始まってもいない。法律の執行が李在明代表の前でストップしているのだ。 李在明代表の裁判が遅れている理由は検察の起訴が遅れたこともあるが、それ以上に李在明代表自らが露骨に裁判を遅らせているのだ。李在明代表は今年6月に起訴された直後、担当を水原地裁からソウル中央地裁に変更するよう要求し、それが棄却されると裁判長の交代を求めた。これも棄却されると李在明代表は裁判官忌避申請を行い、最終的にこれが裁判所で認められ裁判は中断している。そのため本格的な裁判は6カ月にわたり1回も開かれていない。裁判遅延どころが裁判の籠絡(ろうらく)であり、裁判官もこれに加担しているのだ。 この事件は李華泳氏の有罪さえ認められれば李在明代表も有罪は避けられず、この点は誰が見ても明らかだ。李華泳氏の弁護士も法廷で「李華泳氏に対する有罪判決は李在明代表の有罪を推定する結果をもたらす」と指摘した。そのため共に民主党は様々な方法を使って李華泳氏の裁判を遅らせ、根拠のない「検察庁飲み会懐柔疑惑」まででっち上げた。事件を担当した検事を捜査するため特別検事法まで提出したかと思えば、検事弾劾目的の聴聞会を開いて李華泳氏を証人として呼び、李華泳氏を露骨に擁護した。その後は李在明代表も自らの裁判を遅延させている。法律が政略によって無力化すれば、韓国社会全体に短期的・長期的に深刻な悪弊をもたらすだろう。裁判所は裁判遅延に対して断固たる対応を取るべきだ。