<春風を待つ―センバツ・宇治山田商>新バット 打線にマッチ 低反発「コンパクトにつなぐ」 /三重
今春のセンバツから反発性能を抑えた新基準の金属製「飛ばない」バットが導入される。宇治山田商の野手陣も準備に余念が無い。つなぐ打線が持ち味の宇治山田商には「追い風」となるのだろうか。【原諒馬】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 3日に行った紅白戦。秋季東海大会でのレギュラー選手を中心に新基準の金属バットを使い、実践練習に励んだ。二塁打を放った泉亮汰(2年)は、「特に打ちにくさはない。コンパクトにつなぐ野球をする山商に、良い流れがくるかもしれない」と手応えを語る。 村田治樹監督は選手が早めに順応できるよう、今の2年生が入部した2022年4月から新基準バットを練習に導入してきた。現行のバットと比べ、最大径は細く、ボールが当たる部分の金属は、従来の約3ミリから約4ミリ以上と厚くなった。重さは変わらない。 圧倒的な強打者はいないが、走力、守備力、バッティングのバランスの良さが野手陣の持ち味だ。秋の公式戦のチーム打率は3割7分3厘。チームで1点をもぎ取り、勝ち上がってきた。村田監督も「低い打球をつなげて点に結びつけるうちのやり方に、(新基準バットは)合っているかもしれない」と話しつつ、長打を強みとする対戦チームが新しい戦略を練ってくることには警戒する。 新基準バットを味方に付けるには、守備面の向上も欠かせない。宇治山田商は秋季県大会、東海大会の7試合で計8失策だった。一つでも減らすため、練習では基本を徹底している。キャッチボールは素早い捕球と送球を意識し、走者を付けたノックでは、アウトを取るための練習を繰り返している。主将で遊撃手の伊藤大惺(2年)は「捕球する姿勢も意識して仕上げたい」と語った。 〔三重版〕