JPモルガンAM、米株下期も堅調に-ロケットよりスライドの動きか
(ブルームバーグ): 米株式市場は今年、歴史的な力強い出足となったが、この流れは今年下期(7-12月)にかけて続く見通しだと、JPモルガン・チェースの資産運用部門は指摘した。
1月以来で2桁のリターンを記録しているS&P500種株価指数の上昇は今後、ロケットというよりスライドのような動きとなりそうだが、米金融引き締め局面終了や景気の力強さが引き続き今後数カ月にわたって米株価を押し上げるだろうと、デービッド・ケリー氏を中心とするストラテジストが年央見通しリポートで予測した。
JPモルガン・アセット・マネジメントのチーフグローバルストラテジストであるケリー氏らはリポートで「期待リターンはより控えめな水準になりそうだが、健全な利益の伸びと幅広いバリュエーションのばらつき」は株式パフォーマンスにとってポジティブな環境が続くことを示唆していると分析。大型株に加え、バリュー株とグロース株のミックスの買いを推奨した。
また、昨年と異なり市場の力強さは幅の改善を伴っているとし、幅広い利益回復が大型ハイテク分野以外の株価も押し上げていると指摘した。ブルームバーグの集計データによると、S&P500種では不動産を除く全セクターが年初来で上昇しているが、前年同期は11業種のうち5業種だけがプラスだった。
JPモルガンのストラテジストは、こうした見通しに対するリスクの一つとして人工知能(AI)を挙げた。この分野では市場ブームのけん引役がほんの一握りの企業であり、導入時期も見通せないとした。もう一つは経済成長の鈍化で、企業の価格決定力が圧迫されれば利益率に打撃を与える恐れがあるという。
とはいえ「金融引き締め終了と堅調な名目国内総生産(GDP)の伸びは、年内の米国株にとって建設的な状況を提供する」と書いている。
原題:JPMorgan Asset Management Sees Stocks Powering On In Second Half(抜粋)