「鍵を開けて入ってくる人がいる」「敵を追い出す!」と玄関に座り続ける義母。知っておいて!「妄想」も認知症の症状のひとつなんです
「敵を追い出す!」という新たな目標で前向きに?
ある日、頼まれていた食品などを届けようと義母宅のドアを開けると、玄関にお義母さんが座りこんでいます。思わず大きい声が出そうになるのを抑え、「なぜここにいるんですか?」と聞くと、こんな答えが! 義母:「今ドアの辺りに誰かいたでしょ? さっき鍵を開けられそうになったから、ここで“番”してたのよ」 私:「い、いやっ……誰もいませんよ。それよりお義母さん、お茶にしましょう~(汗)」 と、突然の言葉に動揺しつつ、買ってきたお菓子で「釣り」、何とか玄関から中に入ってもらいました。しかし翌日、再び夫と訪れた際も、お義母さんはまったく同じ場所に座っています。 夫:「どうしたの? 中に入ったら?」 義母:「ほら、鍵を開けて入ってくる人がいるかもしれないでしょ。だから、見張ってるの。ここなら、すぐ追い出せるしね」 「敵の存在(幻)」によって、昨日よりも生き生きしているお義母さん。しかも「追い出せる」って、めちゃめちゃ頼もしい(笑)。と、一瞬ほっこりしたものの、すぐに「このままじゃマズイよね」と焦り始める夫と私。 認知症の代表的な症状の一つである「妄想」。次の日、かかりつけ医にこの状況を伝えると、「環境の変化などによる不安や孤独感が、今回のような『妄想』を引き起こした可能性がある」との話がありました。引き続き処方された薬を服用するとともに「昼間はできるだけ家の中にこもらず、外で活動するように」と、デイサービスの利用を勧められます。 さっそくケアマネージャーに相談したところ、家の近くにある機能訓練型デイサービス(歩行訓練、体操、マッサージ、脳トレなどを行う)を紹介され、まずは見学することになりました。
前編記事では、妄想により引きこもりがちになってしまった義母のエピソードについてご紹介しました。続く後編記事では、「お年寄りが行くところよ」とデイサービス通いを拒否。そしてキレた義母に追いかえされる私たち夫婦。引きこもり生活、どうすれば打破できる?」についてご紹介します。
小林真由美