FW岡崎慎司が引退会見 清水の8番手FWからプレミア優勝メンバー、膝のけがに悩み「諦める、という決断をした」
元日本代表FW岡崎慎司(38)が17日、都内で引退会見を行った。日本代表ではFW釜本邦茂氏(75点)、FW三浦知良(55点)に次ぐ50ゴールを挙げ、日本屈指のストライカーとして日本、欧州で活躍。この日はスーツ姿、ブルーのネクタイで登壇。20年のプロキャリアを終え「引退を決めた理由は、膝のけがが一番の理由だったんですけど、去年のシーズンがスタートして、痛みを抱えてプレーして、できなくなるまで半年ぐらいやっていた。これから上を目指そうとする選手たちと会話、プレーする中で、悔しい思いをしながら練習をしていて。でも試合では理想の動きができなくなっていて。その後、(昨年12月に)プレーできないぐらいのけがをして、初めてサッカー人生でやめたい、と思った。これが引退なのかなと、自分でも燃え尽きてしまって、今までも諦めたことも1回もなかったんですけど、諦めるという決断をそのときにした」と、サッカー選手としての限界を感じ、新たな道に進む決断に至ったことなど引退への経緯を明かした。 兵庫・滝川二高から2005年に清水入り。当時はチームでも8番手のFWだったが、泥臭いプレーとゴールへの嗅覚を発揮し、頭角を現した。ドイツのシュツットガルト、マインツでの活躍が認められ、15年に加入したレスターではイングランド・プレミアリーグ優勝に貢献した。その後は念願のスペインリーグにも挑戦。19年9月に加入したウエスカでは2部で12ゴールを決め、1部昇格に貢献し、翌年は1部でのプレーも果たした。 日本代表では10年南アフリカ、14年ブラジル、18年ロシアと3大会連続でW杯に出場。10年南ア大会1次リーグ・デンマーク戦と、14年ブラジル大会の同コロンビア戦では得点も決めた。泥臭いプレーが持ち味だが、点を取れるポイントを見極める判断力など、FWに必要な技術も日本トップクラスだった。また「岡ちゃん」のニックネームで親しまれた実直な性格はプレーにも表れ、常にゴール前に飛び込み続けたことで「岡ちゃんなら必ずそこにいる」と信頼を集め、パスが集まった背景もあった。「サムライ」と称されたように日本人らしさを背負い、ファンにもチームメートにも愛されたストライカーが、惜しまれつつも激動の現役生活に終止符を打った。岡崎は7月1日よりシントトロイデンのアンバサダーに就任し、クラブ経営にも関わる。 ◆岡崎 慎司(おかざき・しんじ)1986年4月16日、兵庫県生まれ。38歳。滝川二高から2005年にJ1清水入り。11年にドイツ1部シュツットガルト。13年夏に移籍した同マインツで2季連続2ケタ得点。15年夏に英プレミアリーグのレスターに移籍し、15~16年シーズンのリーグ制覇に貢献。19年夏にスペイン2部ウエスカに加入し、1部昇格に貢献。21年夏から同2部カルタヘナ、22年夏にベルギー1部シントトロイデンに加入。W杯は10、14、18年大会出場。日本代表の国際Aマッチ歴代5位の通算119試合、同3位の50得点。174センチ、76キロ。
報知新聞社