10年で社員が700人規模に…法律の観点から社会問題に切り込む 「弁護士ドットコムニュース」の舞台裏
リアルな法律相談も記事に
――そば店で並盛りを頼んだら大盛りが出てきたのでそのまま食べてしまったけど問題ない?という日常でありそうな、絶妙な切り口な記事も印象的です。どのようにしてネタを集めていますか。 当社のサービスとして「みんなの法律相談」というものがあって、そこに寄せられた内容を参考にしています。月300円で、会員の相談に弁護士が回答するものなんですが。累計130万以上の相談があります。実際の法律相談なのでリアルだし、一般の人たちはこういうところで困っているんだなっていうのが分かるので、投稿された内容は編集部の記者も参考にしています。 離婚男女の話、セクハラ、パワハラ、リモートワークの労働問題…。どこからがアウトなのか、など。継続して見ていると、この類が増えているなど、大きく社会問題になりそうなテーマというのが感覚的に見えてくるんです。最近だとマッチングアプリに既婚者が潜んでいる話。現代的だし、実際当事者は人生を大きく左右される。下手すれば2、3年の婚活を棒に振っちゃった人もいて、ひどい人だと妊娠して相手と連絡が取れなくなる人もいます。問題だと思ったものは、定期的に注意喚起の記事を出すようにしています。 ――記者はどんな人がいますか。今後の目標も教えてください。 今は編集部7人で、月100~120本配信しています。出所者支援や、性暴力問題を追ってきた人…。画廊や展示施設で美大の女子学生や女性の美術作家たちにつきまとう「ギャラリーストーカー」を取材する記者もいます。社会問題は突き詰めれば制度や法律の問題に行きつくので、弁護士ドットコムの器に収まると思っています。変わらず、弁護士や法律をもっと身近にして、法律トラブルに悩む人を少なくしたいというのが大きな目標で、ネットニュースとして存在感を高めるためにも、社会派ニュースで独自スクープも増やしていきたいです。 ◇ 山口紗貴子(やまぐち・さきこ) 弁護士ドットコム編集長。1979年、静岡市生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。新潮社で週刊新潮や書籍部門などに在籍し、15年に弁護士ドットコム株式会社に入社。24年4月から現職。 (まいどなニュース・山脇 未菜美)
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