地方に住んでおり、車をよく使います。「走行税」の導入が検討されていると聞きましたが、どれくらいの負担になるのでしょうか?
ニュースを見ていると「走行税」に関する報道を目にすることがあります。その名前から「車で走行する際にかかる税金」というイメージを持つ人は多いでしょう。 走行税は、2024年7月時点でまだ存在せず、あくまで政府によって検討されている段階です。しかしニュースで多く取り上げられたために、どのような税制なのか、どれくらい課税されるのか気になっている人は多いでしょう。 本記事では「走行税」に関する概要を解説します。 ▼トヨタ「アル・ヴェル」は月々でいくらの支払いが必要? 返済額を試算してみた!
「走行税」とは
走行税とは、現在政府によって検討されている税金です。2022年10月26日に開催された第20回税制調査会で提案された新しい税金案であり、「走行距離税」と呼称されることもあるようです。 本税制調査会において委員の一人は、走行距離に応じて課税するなど具体的な走行課税について議論することを提案しました。 ■走行税が話題に上った理由 走行税に関して指摘された理由の一つは「税の減収」です。同委員は走行課税について言及するくだりの中で、「脱炭素化に向かうにつれて、現行の自動車関連諸税の税収は減っていくことが考えられる」と指摘しました。 また脱炭素化に向かう中で電動車の普及が期待されるものの、電動車も道路を損傷すること、また現行の税制のままで財源が不十分になって道路整備が十分に行えなくなるような状況は回避する必要があることを強調しました。 一般社団法人日本自動車会議所によると、2021年度の燃料課税税収は過去20年間で最小でした。2001年度比で、6000億円以上も減収していると言及されています。 減収の理由としては、ガソリンの不要な電動車の普及や、ガソリン車の燃費改善などが原因と考えられているようです。 このような背景の中で、税収確保のために走行税が話題に上ったと推測されます。 ■走行税ではいくら徴収される? 前述の税制調査会の議事録には、走行税の負担がどれくらいになるのか具体的な提案はされていません。そのため現時点では、導入された場合の負担額については推測の域を出ません。 海外では、すでに走行税に相当する税制を導入している国や地域があります。米国ではオレゴン州が導入しており、ヨーロッパでは重量貨物車向けの制度として、オーストリアやドイツ、チェコ、ポーランドなどで導入しているようです。 このような欧米の状況にならって、「走行段階にかかる税制度の検討を開始すべき」とする声があります。政府が今後議論を進めるにつれて、負担額について草案が出てくるかもしれません。