【闘病】大量出血の原因は子宮体がん一歩手前…『子宮内膜異型増殖症』を知ってほしい
子宮体がんの一歩手前と言われる「子宮内膜異型増殖症」と診断され、子宮全摘出術を経験したナオミさん(仮称)。強い症状を感じつつも、数年間病名が分からないまま不安な日々を過ごされていました。 「がん検診へ行ってほしい」と訴えるナオミさんは、どんな闘病期間を過ごされたのでしょうか? 当時の様子から現在に至るまでお話を聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年12月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
貧血や倦怠感の原因は「子宮内膜がん」だった
編集部: はじめにナオミさんが経験された「異型内膜異型増殖症」について教えていただけますか? ナオミさん: 最初に診断された「子宮内膜異型増殖症」は、子宮内膜が異常に分厚くなり増殖する疾患です。症状としては月経過多、月経痛、不正出血などがあります。また、子宮内膜異型増殖症は子宮体がんの前段階とされていて、約30%の方が子宮体がんになるそうです。 編集部: ナオミさんの病気が判明するまでの経緯も教えていただけますか? ナオミさん: 2013年頃から月経周期の乱れがあり、当時は仕事環境の変化とストレスのせいと思っていました。しかし、徐々に月経周期が不安定になり、ものすごい出血量に不安を感じるようになりました。 クリニックや総合病院の婦人科を受診しても、子宮は綺麗な状態との説明。不安になりながら様子を見ていると、次はとてつもない疲労感、記憶があいまいになるほどの無気力、氷を常に食べたくなるなど、これまでにない症状が現れました。 編集部: 症状がどんどん強くなっていったのですね。 ナオミさん: はい。この頃には、会社の健診でも貧血を指摘され、内科受診をしたところ顔色も真っ白で重度の貧血状態と言われました。 そして、2019年にクリニックでがん検診を受けたところ「子宮内膜がんが偽陽性」という結果になったため、紹介状をもらって総合病院を受診しました。そこで「子宮内膜異型増殖症」と診断されたという流れです 編集部: 病名が明らかになるまで時間がかかったのですね。 ナオミさん: そうですね。いくつかの病院で検査して、子宮は綺麗と言われるだけで終わったので「病院に行っても変わらないならこのままでいい」と思うようになりました。 症状が現れてからは、氷を食べてからガムを噛むと心地よかったため、ボトルガムを常備しているほどでした。ひどい時は半日でボトルガムが空になるほどだったので、かなり悪い状態だったのだと思います。 編集部: 医師からはどのような説明がありましたか? ナオミさん: 子宮内膜異型増殖症は子宮体がんへの進展およびすでにがんが併存しているリスクが高く、「がん細胞が含まれている確率が高いので子宮摘出が望ましい。だが、卵巣を残すこともできる」と言われました。 私は幸いにも30代後半で4人の子宝に恵まれており、5人目は望んでいなかったので子宮摘出を選択しました。 編集部: 術後の検査で子宮内膜がんが判明したのですね。 ナオミさん: はい。手術を行い、組織診をしたところ「子宮内膜がん」が確定し、ステージ1Aと説明されました。 編集部: 術後はいかがすごされていますか? ナオミさん: 幸い転移はなく、月経が来なくなり、貧血がすぐになくなりました。そしてガムを食べたくなる欲も収まっています。 現在は3か月おきに採血のため総合病院へ通っていますが、腫瘍マーカーの値も問題ないそうです。既に4年が過ぎているので、あと1年で通院は卒業になる予定です。