最後の一口まで残る風味 室津産カキのクリームコロッケ、全国一に 洋食店オーナーが3回目の挑戦で栄冠
おいしさとご当地性を競う「全国コロッケフェスティバル」が11月、茨城県龍ケ崎市で開かれ、兵庫県姫路市飾磨区恵美酒の洋食店「サンサーラ」の出品した、同県たつの・室津産のカキを使ったクリームコロッケが初のグランプリに輝いた。同店オーナーの碓井大介さん(50)は「3回目の出場でようやく優勝できた」と喜ぶ。(西竹唯太朗) 【写真】揚げている途中に破裂しがちな「コロッケ」…あの食材を使うと、スッキリお悩み解決「これナイスです!」 碓井さんはたつの市新宮町出身。2006年に主にカレーを提供する移動販売店を始め、11年から姫路市に固定店を構えた。 元々、料理人を志していたが、両親の意向もあり家業の土建業で働いていた。だが、先天性の難病を抱える娘の闘病を支えるうち、「できる時に好きなことをやろう」と、料理の道に進むことを決めた。 地元の食材を使うことにこだわり、これまでもカキやしょうゆを使ったハンバーガーなどを作ってきた。コロッケは、加盟するたつの市商工会が13年に開発した「牡蠣(かき)クリーミーコロッケ」を店で提供。15、18年の同フェスティバルには、このコロッケをアレンジして出品したが、いずれも3位入賞にとどまった。 その後「一から作り直す」とレシピを刷新。カキの身をペースト状にしたものと、ぶつ切りにしたものを混ぜ合わせ、最後の一口までカキの風味を残しつつ、食感にもこだわった一品を完成させた。 今年の同フェスティバルには、全国から約30店舗が出店。食材のご当地性を重視する審査員の評価に加え、一般来場者約2万人の投票で順位を競った。 グランプリ受賞を受け、碓井さんは「カキを提供してくれる水産会社など、関わった人らに感謝したい」と笑顔。3連覇が当面の目標といい、「ゆくゆくは地元・たつのでも店を持てたら」と意気込んだ。