急にコンサートに行けなくなったのでチケットを売りました。定価に郵送代や手数料を追加しただけなので「高額転売」にはあたりませんよね?
楽しみにしていたコンサートチケットを手に入れたものの、予期せぬ事情で参加できなくなることはあるものです。せっかくなら、そのチケットをコンサートに行ける人の手に届けたいと思う人は多いでしょう。しかし、人に譲渡するときには、不正とされる高額転売を避けなければなりません。 本記事では、チケットの高額転売の定義と、チケット不正転売禁止法の概要、合法的に転売する方法などを解説します。コンサートに行く機会が多い人は、法律を順守しつつ、チケットを適切に手放す方法を確認しておきましょう。
高額転売とは
コンサートなどチケットの高額転売は、社会的にも法的にも大きな問題となっています。高額転売とは、定価よりもかなり高い価格でチケットを転売する行為のことです。特に人気のあるイベントやコンサートのチケットは需要が供給を上回るため、市場価格が高騰することがあります。 高額転売をする人が増えるほど、チケットの入手競争が激しくなり、チケットを正規の価格で購入しようとする消費者に不利益を与えます。また、転売市場での不正競争を生むことにもつながりかねません。 また、イベント主催者の規約により高額転売されたチケットでの入場が拒否されるケースもあります。これは、転売されたチケットが正規の販売ルートから外れたものであるため、その正当性が保証されないからです。 日本では、このような問題を解決するための「チケット不正転売禁止法」が、2019年6月から施行されました。
チケット不正転売禁止法の概要
2019年6月14日に施行された「チケット不正転売禁止法」は、チケットの不正転売を防止するために制定された法律です。映画・音楽・舞踊などの芸術・芸能やスポーツイベントのチケットにおいて、興行主の同意なしに有償譲渡を禁じる旨が明示され、座席指定等されたチケット(特定興行入場券)の不正転売を禁止しています。 不正転売とは、興行主の事前同意なく、反復継続の意思を持って行われる有償譲渡で、特定興行入場券を興行主等の販売価格よりも高い値段で他の人に売ることです。この法律に違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金、あるいはその両方が科される可能性があります。業者だけでなく、個人による転売も対象です。 チケット不正転売禁止法は、不正転売による消費者への不利益や市場の混乱を防ぎ、健全なチケット市場の確立を目指しています。チケットを適正な価格で購入し、イベントや公演などを楽しむ権利を保護するため、このような法的規制が設けられているのです。