苦境のアルピーヌ、ブラジルのW表彰台の価値は50億円!ブリアトーレ、アップデートをせずF1の勝利の方程式へと戻す
F1サンパウロGPは、苦境にあるアルピーヌチームにとって約50億円(3000万ユーロ)の価値があったかもしれない。 ●【2024F1第21戦サンパウロGP】伝説のレース!スプリントなど全セッションの結果 ■運を味方につけたアルピーヌ 2026年に向け、歴史を築いてきたルノーF1エンジンの開発中止の決定を受けて、なんとか復活したいアルピーヌがダブル表彰台を獲得した。 アルピーヌはコンストラクターズ選手権の最下位から始まり、厳しい予算の中で競争力のないマシンに悩まされていた。しかし、エステバン・オコンとピエール・ガスリーは大荒れのレースで表彰台に立った。この結果、チームは一気にポイントを獲得し、ランキングを3つも上げて6位に浮上した。 今季途中からチームのエグゼクティブアドバイザーに就任したフラビオ・ブリアトーレは「オコンとガスリーの素晴らしい働きもあったが、今日は運も味方した」と語った。 「私たちのクルマは雨に強い。残念ながら次の3レースは雨が降らないと思う」と嘆いた。最後の3連戦の舞台は砂漠に囲まれている。 しかしブリアトーレは2人の経験あるドライバーが生き残って、さらに表彰台を獲得したことで、F1では経験が重要であることを強調した。「今日は注目を集めている若いドライバーたちがどうなったかを見たと思うが、F1では経験がどれほど重要であるかがわかっただろう」 ■ブリアトーレ、チームをF1での勝利の方程式へと戻す ベネトンやルノーでチームタイトルを獲得し、無駄のない運営で成功を収めたことで有名なブリアトーレが着任して以来、2024年マシンの大幅な改善には焦点を当てていないと述べ、チームを効率的に運営する重要性を説きながら、2025年に向けて進化を進めていることを明かした。 「今年は大掃除をしてきたんだ。今も続けているがね。2025年に影響が出ないよう、真の進化を遂げるステップを1つだけ取った。そのステップは2025年に向かうためだったんだ」 「今年、多くのチームがアップデートを導入して、後退した。だから、我々のエンジニアはよくやったよ」 「企業のために働くのではなく、レーシングチームのために働く人たちを取り戻さなければならない。ルノーが以前そうであったようにね、我々は戻ったんだよ」 「残った者は全員、チームとF1の仕事に専念している。他の者は全員去った。私が着任したときは1150人いたが、今は850人に減った」 ブリアトーレは、来年の終わりにルノーのF1エンジンプログラムを中止する決定を全面的に支持していると述べた。 「我々は本来あるべき姿に戻した。イギリスを拠点とするチームは、他のすべてから独立しているんだ」 ■期待できないラスト3戦は基本に忠実な改善を継続 しかし、今後のレースで今回と同じような結果を出すことは期待していないとも語った。 「ラスベガスはエンジンサーキットだから、我々は苦戦を強いられるだろう。ウェットコンディションでは、エンジンのパワーの違いは事実上ゼロになるんだがね」 「エンジンだけでコンマ3秒ほど遅れているのだから、2025年までにこの差を埋めなければならない。しかし、自分たちを哀れむことなく、空力特性やタイヤの改善にしっかりと取り組む必要がある」 ■ダブル表彰台の価値は50億円! 残り3レースで、もしアルピーヌがコンストラクターズ選手権6位を維持できれば、ブラジルでの結果は大きな成果として記憶されるだろう。 「9位から6位に上がっても3000万ユーロ(約50億円)ではない、2920万ユーロ(約48億円)だ」と、ブリアトーレは微笑み、「とにかく、今日は信じられないグランプリだった」と『スカイ・イタリア』のインタビュアーを締めくくった。