コロナで「戦い方が変わった」ーーニューヨーク「カス」2人組の逆襲
いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのお笑いコンビ・ニューヨーク。数多くのレギュラー番組を持ち、テレビで見ない日はないほどの快進撃を続けている。そんな彼らは若手の頃から「ネクストブレーク芸人」として期待されながらも、なかなか結果を出せなかった。ところが、ここ1~2年で状況が一気に変わった。彼らに何が起こったのか。 「俺らの感覚では何も変わってない感じなんですけどね。『M-1』決勝行ってから、流れが変わりましたよね」(屋敷) 一般的には、ニューヨークが躍進するきっかけとなったのは、2019年の『M-1グランプリ』で決勝に進んだことだと言われている。でも、実際はそれだけではない。時代の変化が彼らを後押ししていたのだ。
くすぶっていた「お見送り芸人」時代
ニューヨークは業界内で注目されながらもくすぶっている時期が長く、低空飛行を続けていた。そんな彼らが初めて危機感を覚えたのは2018年のこと。『キングオブコント』でハナコが、『M-1』で霜降り明星が優勝した年だ。自分たちよりも後輩の芸人がお笑い賞レースで立て続けに優勝して、「第七世代」として注目されるようになった。 「後輩が決勝行くだけでも結構傷つくのに、優勝してるやん、みたいな。ここからの作戦は全然違ってくるぞ、と思って開き直れたところはありますね」(屋敷) 第七世代が爆発的なブームになる中で、テレビに出始めたニューヨークは彼らに噛みつくキャラを確立した。実際、ニューヨークはこれまでに何度もチャンスを逃してきた。そんな彼らだからこそ、新しく出てきた若手芸人に全力で嫉妬することに説得力があった。 「あの頃、売れると思って俺らとかうしろシティさんとかラブレターズさんとかが乗ってた電車があんまり行かへんかったのに、急行みたいなのに乗ったやつらが俺らをどんどん追い抜いていって。そこに納得いかなくて文句ばっかり言ってました。第七世代にまくられて、勝手に吠える『ダメなオジさん』みたいになってから、やりやすくなりましたね」(屋敷)