「葉を触れば栄養がわかる」長野・佐久穂町「のらくら農場」がたどり着いた「面白い農業」の作り方
面白いからやっている
チームで課題をクリアし、土壌や野菜の栄養素と向き合い、流通の工夫で消費者の手に届きやすいようにする。その積み重ねで、のらくら農場は20年で約20倍の規模に成長を遂げた。 農場で長く働くスタッフもいれば、「卒業」して自分の道を拓いたり、同じく佐久穂の地で農業を始めたりするスタッフもいる。その後も連絡を取り、お互いの知見を深め合うこともあるそうだ。 「有機栽培と聞くと、市民活動的な文脈で捉えられ、時には警戒されることもあるのかもしれません。僕は、もっとポップな感じでやりたいと思っているんです。 うちの農場も機械を入れていますし、テクノロジーを否定するようなことはありません。でも、実際に農場で身体を動かしてると、なんか面白いんですよね。効率化のためにある機械を入れたら、あるスタッフに『あの作業が面白かったのに』って言われたことがありました。テクニカルでハイソなことをやっているんじゃなくて、ただ楽しいから作っている。この感覚を大切にしていきたいです」 取材・文/田嶋裕太
マネー現代編集部