蟹漁船に乗って「9か月の漁師生活」を送った芸人。“テレビでは話せない”過酷な日常を告白
同僚の指が飛んだことも
漁の最中に悪天候になってしまうこともある。波が高いと船が尋常じゃなく揺れることに加え、疲労も蓄積されていく。怪我や事故と隣り合わせの環境なんだとか。 「蟹カゴはすべてロープでひと繋ぎになっていて、海に落としてしばらくしてから機械で巻き取るんですが、ある船員の方がバランスを崩して、巻取り中のロープに指を挟まれ、指が一本ちぎれたことがありました。 漁も佳境で疲労困憊だったこともあり、呆然としていたその人の指を、飛んできたカモメが食べてしまったときは『何が起きたんだ』と理解が追いつきませんでしたね」
400キロ以上の白い粉が入ったバッグを拾った
10か月の漁師生活の中で、珍しい“落とし物”を拾ったこともある。 「海に浮かぶ不審な漂流物を見つけたら、必ず拾って海上保安庁に連絡するのがルールなんです。人間の死体なんかも、その対象です。 ある日、何もない海域に”ウキ”が浮いてるのを先輩が見つけて、不自然なので引っ張り上げてみるとロープにぶら下がったボストンバッグが数珠つなぎ的に7個上がりました。やけに重いし、『死体でも入ってるんじゃないか?』とみんなざわついてました」 バッグに入っていたのは死体ではなかったが、別の意味で事件性を感じるものが現れた。 「まず、それぞれのバッグにGPSの発信機が付いていることが分かって、『これはただ事じゃないぞ』となりました。 確認のためにバッグを開けてみると、濡れないようにビニールに入った白い粉が詰め込まれていました。バッグ1個が60kgくらいだったので全部で420kg、覚醒剤とか麻薬ならとんでもない量です。海上保安庁にすぐに連絡して帰港しました」 港に帰ると、一目でわかる見慣れない光景がそこにはあったという。 「普段は一切いない釣り人が港に大量にいたんですよ。おそらく海上保安庁や警察の人、GPSを追いかけて受け取りに来た人が、そのままの格好だと目立つので変装していたのかもしれません。 海上保安庁の方にバッグを引き渡して終わったのでその後はわかりませんが、いつもと違う異様な雰囲気だったので、やっぱり何かしらのクスリだったんじゃないでしょうか」