「ふわふわ」という名前からは想像できない…急成長の障害者ホーム元社員たちの驚くべき証言 「うその記録で不正に報酬」「勝手に印鑑」
ほかの元社員たちを含め、こう口をそろえる。「実態とは違う虚偽のサービス提供記録を作り、組織ぐるみで障害福祉や医療の報酬を不正に受け取っていた」 ▽「社長や役員が記録改ざんを指示」 数年前まで愛知県内のGHに勤務していた元社員は「実際には配置していないスタッフの名前を実績記録に書き、人員基準を満たしたように装っていた」と証言する。「社員にしても利用者にしても、会社が同じ名前の印鑑を買って、出勤簿やサービスの実績記録に勝手に印鑑を押していた」と語った。 利用していない障害児にサービスを提供したことにして、報酬を架空請求していたこともあったという。「報酬を多く取るため、障害者の利用時間の記録を改ざんするよう社長や役員から指示が出ていた」と話す。 GHだけではない。恵の訪問看護ステーションに勤めていた看護師はこう明かした。「診療報酬をなるべく多く取るため、所長の指示で、必要のない入居者まで『健康管理』などと理由を付けて週3回、訪問看護に入っていた」。利用者数に応じて所長の給与が増える仕組みだった。
あるときは、他の看護師が記録上、早朝や夜間に訪問していることについて所長からこう聞かされた。「これ、実はこの時間には行ってないんだわ」。報酬の加算を受け取れるよう、実際の訪問時間とは違う虚偽の記録が作られていたという。 「勤務表が実際のものと、行政に提出する用と2種類作られていた」「役員自身が実務経験の年数をごまかして、サービス管理責任者の資格を取っていた」。取材に応じた元社員たちは次々と不正の手口を明かした。取材では、役員や社員の間で交わされていたLINEメッセージも確認した。 ▽「行政はうちをつぶせない」 ある元幹部社員は、こうした行為に異議を唱えた際、役員から返ってきた言葉が忘れられない。「愛知県や名古屋市に言っても相手にされないと思うよ。規模が大きくなったうちをつぶせば多くの利用者が行き場を失うから、行政はつぶせない」 不正がばれないよう対策も取られていた。「GHなどに自治体の実地指導が入る際は、実際の管理者ではなく、ごまかしがうまくできる別の社員が管理者を名乗って対応していた」と話した。