オンライン講座などで国際関係の勉強に取り組む杉野遼太さん＝2024年12月20日、松山市

　将来は世界平和に関わる仕事に就きたいと、国際問題に関心を抱く松山市の高校生がいる。松山南高2年の杉野遼太さん（16）。費用がかからない国際交流プログラムやオンライン講座を活用し、地方で学ぶハンディを乗り越えながら夢の実現を目指している。 　杉野さんは2023年11月、家族旅行で訪れたトルコ・イスタンブールで見た光景に衝撃を受けた。イスラエルによるパレスチナ自治区・ガザ地区攻撃を非難する大規模なデモ。参加者の迫力ある声に圧倒され、切実な事情を強く感じた。 　「自分たちはたまたま平和な場所にいるだけ。世界では戦禍で苦しむ人が大勢いる」。国際関係を学びたい気持ちを察した家族が、日米の高校生の交流を促進する「AIG高校生外交官プログラム」への応募を勧めた。参加費は無料だが、書類選考やオンラインでのグループ討議、英語の面接などに合格しなければならない。杉野さんは倍率約40倍の狭き門を突破した。