C大阪、強みを生かした役割分担 いまだ負けなし4季ぶり首位
J1リーグは序盤の8試合を終え、関西4クラブの成績は明暗が分かれた。設立30周年の節目を迎えるC大阪は、クラブ新記録を更新する開幕8戦無敗(5勝3分け)で、4季ぶり首位浮上。一方、3季連続の2ケタ順位から巻き返しをはかるG大阪は、開幕5戦負けなし(2勝3分け)と滑り出しは順調だったが、10位にとどまる。4位・神戸、18位・京都を含め各チームの現状にはどんな要因があるのか、今後のポイントは何か。担当記者が迫った。 C大阪が桜の季節・4月にふさわしい結果を得ている。20年7月以来、3年9か月ぶりの首位。今季のスタートダッシュに成功した要因は「役割分担」にある。4―3―3のシステムは変わっていないが、小菊昭雄監督(48)は「役割をガラッと変えた。個々の良さが存分に発揮できる立ち位置、役割を与えている」と説明する。 昨季であれば、ウィングのMFカピシャーバには中盤でのプレーも指示していたが、今季は突破力を生かした攻撃のみを指示。技術のあるMF奧埜、元日本代表MF香川をインサイドハーフに置くことで、前線の選手が前だけを向いてプレーができるようになった。 そして、新加入でアンカーのMF田中の存在が大きい。チーム全体を攻め上げる安定性や、起点となる縦パスに定評。札幌ではDFを務めていただけに守備力もある。さらに、運動量のあるDF登里、日本代表DF毎熊の両サイドバックがボランチ(守備的MF)の位置まで入ってきて、積極的な攻撃参加を行うことで、ボール保持率はアップ。指揮官は「全員が仕事を全うしてくれているから、一人一人が輝いて、チームが輝く。得点につながっている」と分析した。 昨季は終盤8試合で計1点と得点力不足が課題だったが、今シーズンは開幕8戦全てで先制点を挙げ、計12得点。それぞれに特化した役割を与えることで、得点力アップにつなげている。「試合を重ねて、セレッソのカラーが強くなってきた実感はある。トップを取れると思っている」と小菊監督。たとえ桜の季節が終わってもV線戦をけん引し、悲願のJ1初優勝をつかみ取る。(森脇 瑠香)
報知新聞社