ユニクロのグローバル化とオペレーションを支えるキーパーソンとは?
ユニクロ 地域別店舗数の推移
筆者は中国には今年4回ほど行きましたが、かつては新しい商業施設ができると必ずといっていいほどユニクロが出店していて、「店を出せば売れる」状態でしたが、最近は館によって集客に勝ち負けが出ていて、ユニクロといえども、入店客数が少ない店舗を目にしました。決算発表で幹部が言っていたように、これから中国でもスクラップ&ビルドが本格化しそうです。
実は韓国・東南アジア・インド・豪州の貢献も大きいです。売上収益は前期比46.1%増の5405億円。中国の売上収益6770億円に追いつく勢いで成長しています。さらに営業利益率を見ると18.1%と群を抜いています。FR自身がアピールする欧米よりも、実は貢献度が高いですよね。
本当であれば、この辺りの出店を加速するべきなのです。会見でそのことを指摘されていましたが、「量より質です」という感じの答えでした。
やはりローカルで人を育てるのが、比較的やりやすい地域とそうでない地域があるのでしょう。あくまでも決算発表時の空気ですが、欧州と同じくらい国や地域で文化や言語が異なるので、なかなか難しいのかな、という印象を受けました。人口が多く、市場としての可能性は大きくても、質を伴っての成長を考えると、難易度が高いため、もう少し時間がかかるということでしょう。
グローバル化の恩恵は、値下げのコントロールにも表れています。例えば国内ユニクロ事業でいえば、気温が高い間はしっかり夏物を店頭に確保して、需要のあるうちは売り逃さない。シーズンが変わったら、潔く切り替えて、仕込んでおいた商品は、年中夏物が売れる東南アジアなど、売れる地域に持っていって販売できるようになってきたようです。こうしたことをグローバルレベルでできるようになったことは売上高と営業利益の伸長に大きく寄与していると言えるのではないでしょうか。
もう1つのキーワード「生産性向上」については12月9日号でお話しします。