ユニクロのグローバル化とオペレーションを支えるキーパーソンとは?
ユニクロ 2024年8月期 地域別売上収益・営業利益・営業利益率と前年比
投資家はユニクロが最多店舗数を構える中国市場の収益性低下を懸念していました。ただ、地域別売上高を見ると、欧州、北米、韓国・東南アジア・インド・豪州が躍進しており、中国の低迷をカバーしています。
欧州は売上高が前期比49.1%増で、営業利益が同82.5%増、北米は売上高が同43.7%増で、営業利益が同91.9%増と共に大きく成長しています。
カギを握るのはスーパーバイザー
この躍進の要因の1つには、キーパーソンの存在があります。職種的に言うとスーパーバイザーです。FRは「店長と店舗スタッフが主役」と掲げていますが、彼らがうまく仕事できるように支えているのがスーパーバイザーです。国内では1人で約8店舗を見る、いわゆるエリアマネジャーで、商売人、経営者である店長を育成します。
ユニクロ海外事業の躍進の背景には、そういうスーパーバイザーが国内で力をつけて、海外に出て行き、中国にしても欧米にしても、ローカルスタッフが店舗を上手に運営するサポートをしていたわけです。
今回ちょっとステージが上がったなと思ったのは、各国で店舗から地域を任せられる人が次々に現れていて、異動しているという話が出ていたからです。海外のローカルで育ったスーパーバイザーたちが、他の地域に異動し始めたということで、ここの人材の層が厚くなったことが、海外での成長をグッと押し上げていると考えます。
同時にマーチャンダイザー(MD)も動き始めています。今まではグローバルヘッドクォーターである東京にいるマーチャンダイザーがグローバルな商品企画をしていましたが、やはり品ぞろえを地域対応させる必要があるという観点から、海外に異動しているようです。つまり、店舗運営人材に続いて、ローカルマーチャンダイジングの精度を高めるステージに入ってきているなと感じました。こうした動きを踏まえると、さらにグローバルでの成長は続くでしょう。