《ブラジル記者コラム》 日本人の100人に一人は海外在住=岸田首相、ぜひワーホリ協定を
海外在留邦人が多い国のランキング1位は米国
では、海外在留邦人が多い国はどこだろうか。言い換えれば、日本人にとって一番人気が高い国はどこか。1番目は文句なしにアメリカで、約41万5千人もいる。実際、すごい数だ。50年後、100年後にはすごい数の日系人が誕生し、現在こそブラジルが世界の日系人総数500万人の過半数を占めているが、いずれ米国に抜かれるだろう。 2番目は日本のお隣の中国、約10万2千人もいる。3番目は、ワーキングホリデービザ(以下、ワーホリ)が使えて日本人になじみ深いオーストラリア。2位とほぼ同じ約10万人もいる。 4番目はカナダで7万5千人、ここもワーホリが使える。5番目はタイで7万2千人、6番目ははやりワーホリが使える英国で6万5千人、7番目にようやくブラジルが出てきて、約4万7千人とある。正確には4万6902人だ。 5月にブラジル訪問する予定の岸田文雄首相には、ぜひワーホリ協定をブラジルと結んでもらい、若い日本人がブラジルに来やすくしてもらいたいものだ。南米ではすでにアルゼンチン、チリとは締結済みであり、次はブラジルとお願いしたい。
世界で日本人が一番多い都市はどこか?
都市別で海外在留邦人が多いところを見ていくと、1位は米国西海岸カリフォルニア州の「ロサンゼルス都市圏」だ。在留邦人全体の5・0%(6万4457人)も住んでいる。映画の都ハリウッドがある関係もあり、ここには日本の芸能人も多く住む。 サイト《海外在住だった!スゴい芸能人ランキング(1~10位)》(4)、サイト《海外へ移住、日本と2重生活をしている芸能人30人以上を紹介》(5)などによれば、矢沢永吉さん、氷室京介さん、真田広之さん、渡辺謙さん、桃井かおりさん、YOSHIKIさん(6)ら枚挙にいとまがない。 ロサンゼルスで日本語情報誌を発行している人と以前話していて驚いたが、「在留届を出しているのは6万人だが、実際に住んでいる人は20万人ぐらいいてもおかしくない」とのことだった。 アメリカの場合は、日本国籍を維持できる「永住権」(グリーンカード)と、アメリカ国籍に帰化する「市民権」の2種類があり、ロスには市民権を取った日本人もたくさん住んでいるのだろう。市民権をとると、日本国籍を離脱しなくてはならないので、日本の在外邦人統計から外れることなる。たとえ国籍はアメリカでも、アイデンティティは日本人のままだから、日本人コミュニティにも所属する人は多いだろう。 コラム子が生まれた静岡県沼津市の人口は20万人弱だ。海外とはいえ、一つの地域に20万人も日本人がいれば、いろいろな日本語ビジネスが可能であり、本当にうらやましい限りだ。 そもそもブラジルは遠すぎる。10時間以上もかかる飛行機を2回も乗らないと日本にたどり着かない。便によっては計30時間近くも飛行機に乗っている。しかも途中の乗り換えでは4時間待ち、下手したら6時間もざらだ。 だが米国なら1回寝ている間に日本に着いてしまう。近い分、住み心地はいいだろう。