スーパーGT、次期GT500車両の方向性を参戦メーカーと協議中。ハイブリッド化も依然として視野……導入は2029年か
スーパーGT第2戦が開催される富士スピードウェイで実施された、GTアソシエイション(GTA)の定例記者会見。その中では、将来的に導入されることになる次世代GT500車両に関する協議の進捗が語られた。 【動画】2024 スーパーGT第2戦富士:決勝ハイライト(GT500) スーパーGTでは2020年より、DTMとの(ドイツ・ツーリングカー選手権)との共通規則としてスタートした車両規則Class1を採用している。今シーズンはこの規則が導入されて5シーズン目となるが、来季以降もモノコックを新調するという対応で引き続きClass1車両を走らせることになる。 GTAの坂東正明代表は昨年春のインタビューの段階で、新規則の導入は2028年になるだろうと語っていた。GTAは今季開幕戦が行なわれた岡山でも、GT500に参戦する3メーカー(トヨタ、日産、ホンダ)と次期車両に関する話し合いの場を持ったが、依然として方向性が定まっておらず、導入は2029年ごろになりそうだという。 この“方向性と”いう点で鍵となってくるのは、ハイブリッドなどの電動技術を採用するか否かについて。GT500車両のハイブリッド化の可能性は2022年の時点でGTAが明らかにしていたが、仮にGT500がハイブリッドになった場合、欧米のWEC(世界耐久選手権)やIMSAで走るLMDh車両のように共通のハイブリッドシステムを導入するのか、参戦メーカーがそれらを製造するのかなど、今も様々な議論が行なわれている最中のようだ。 「(岡山でトヨタ、日産、ホンダと実施した)ステアリングコミッティについては、モーター、電気、HEV(ハイブリッド車)をどうするかという点が大きな課題となっています」 第2戦の定例会見の中で、坂東代表はそう語った。 「LMDh(のような共通システム)の採用であったり、あるいはトヨタ、日産、ホンダで国産化することでコストを削減し、各々の技術力や純正品を流用できないか……などの観点で、モーターやHEVが採用できないかということの議論をしています。その方向性はまだきちっと定まっていません」 「来季からは、現行のモノコックを新調します。それを2027年まで使用して、2028年くらいには新しいものを採用したいのですが、今の会議で方針や方向性が決まらない以上は、おそらく2028年まで現行規則でやって、2029年から変更する形になるのではないかと思います」 「仮に2029年に(新規則のマシンを)導入するのであれば、2028年にはテストをやらないといけないし、そうなると2027年には図面を採用したりと、あらかたの作業が終わっていないといけません。今の状況だと、2028年から採用するのは難しいです」 「この間の話し合いでは、結論が出ていないというのが状況です」
戎井健一郎
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