知らないとあなたも子どもも苦しむ、離婚後の正しい子育てのしかた
■ 円満な共同養育を実現させるカギ しばはし:共同養育をするならば、相手の育児の仕方に全部賛成できなかったとしても、あまりつべこべ言わないほうがいい。怪我さえさせなければ、少々自分が好まない飲食物を相手が子どもに与えても、そこはもはや異文化の中に子どもを留学に行かせたようなつもりでどんと構えたほうがいいと感じています。 そのほうが、相手ももっと育児に前向きになってくれて、離婚後も役割をスムーズに分担できるようになり、親子交流の機会も設けやすくなります。 せっかく頑張っているのに、離婚後も元配偶者から口うるさく言われたら、子育てに関わることが億劫になる。そのような、一種女性からのモラハラのようなケースも時々見られます。 ──普段とても分別がある人でも、こと子どものことになると、人格が変わったように事細かに管理したがることがありますよね。 しばはし:育児方針が違う場合はトラブルが発生しやすいです。特に女性の意識が高くて、男性がアバウトな育児だったりすると、「日頃私が徹底しているルールをあなたの1日で乱さないで」と言いたくなる。でも、そういう態度は離婚後までしてはいけません。 ──離婚した関係でも、結局は相手に配慮のできる人が円満な良い関係を持ち、自分も幸せになれるということですね。 しばはし:本当にそうです。「同居中に配慮ができなかったから離婚後も無理」ではなくて、1回リセットされたのだから、離婚したなりに円満な元夫婦関係を築いていかなければなりません。子どもがいる以上は、縁を切ればいいということにはなりません。 だからこそ、何もかも自分の思い通りにしようとはせず、相手がすべて悪いとは考えずに臨むべきだと思います。その思考に至ることができれば、円滑な共同養育は実現します。 長野光(ながの・ひかる) ビデオジャーナリスト 高校卒業後に渡米、米ラトガーズ大学卒業(専攻は美術)。芸術家のアシスタント、テレビ番組制作会社、日経BPニューヨーク支局記者、市場調査会社などを経て独立。JBpressの動画シリーズ「Straight Talk」リポーター。YouTubeチャンネル「著者が語る」を運営し、本の著者にインタビューしている。
長野 光