ハーバード「キャリア相談室」本が、日本で10年読み継がれている「意外な理由」
大切なのは、自分の潜在能力を発揮できるかどうか
長所・短所を理解した上で、自分が本当にやりたいことや自分そのものを理解し、具体的にチャンスを生かす方法について考えていく。そして、さらなる飛躍を目指し、なりたい自分に近づくためのステップへと進んでいく。 このように本書は、一見すると自己啓発書のようだが、その実態は、自分自身を発見するためのガイドブックと言える。一冊を通じてフレームワークが構成されているだけでなく、各ステップには演習が用意され、カプラン教授の研究室を訪れるエリートたちと同じコーチングを受けられる。 だが、それは決して簡単な方法ではない、とカプラン教授は釘を刺す。そこには不屈の精神が必要だ。 ~~ 大勢の人があなたに「こうすべきだ」、「これを手に入れるべきだ」と進言してきますが、彼らはあなたの人生を生きるわけではありません。しかも、そのような人は自分の人生に満足していない可能性が高いでしょう。(247ページ) ~~ だからこそ、「違うやり方」を試すことをカプラン教授は勧める。成功するかどうかではなく、自分の潜在能力を発揮することに目を向けるのだ、と。それを実現する方法はたくさんある。その道筋のひとつが、本書から見えてくるかもしれない。 ニューズウィーク日本版ウェブ編集部