世界も驚いた「日本人宇宙好き女子」の衛星打上げ、打ち上げ時のリアルすぎる様子&秘話 スペースX社「ファルコン9ロケット」で快挙へ
肉眼でもはっきり見えたファルコン9は、まっすぐ上空へ突き進んでいきます。そして数秒遅れてエンジン音も聞こえてきました。 「すごーい! 飛んでるーーー!」 「4年越しのプロジェクトがクライマックスを迎えるとき、どんな気持ちになるんだろう?」と自分でも楽しみにしていたのですが、わかったことは、人は興奮しすぎると小学生のような語彙力になってしまうということです(笑)。 興奮冷めやらぬまま、今度は切り離されたロケットの一部が帰還すると聞いて、再び射場の近くをじっと見つめていると、一瞬だけ光の線が現れました。そして数秒後には「ブーン!」という爆音が。再利用ロケットが帰還した際のソニックブームが聞こえてきたのです。
今回スペースXのファルコン9での打ち上げだったからこそ、打ち上げと帰還の両方が楽しめたことはとてもラッキーでした。 ロケットの帰還を見届けた後は、日本からオンラインで打ち上げを見守っていたコスモ女子のみんなとの中継を開始しました。残念ながら現地で打ち上げを見届けることは叶わなかったメンバーも、打ち上げ成功を目の当たりにして感動して号泣。 コスモ女子以外にも、私たちのプロジェクトを応援してくださっていた方々約100名が、一緒に打ち上げ成功を喜んでくださっていました。
日本時間2024年8月5日0時02分、フロリダから打ち上がった人工衛星Emmaは、2日後には無事国際宇宙ステーション(ISS)に到着。約1カ月の滞在期間を経て、8月29日にISSから放出されました。 ■「打ち上げ」「放出」「通信」すべて成功 ISSからの放出の際には、コスモ女子から8名がJAXAに入構し、うち5名はVIPルームから放出の際のコールをしました。ISSからEmmaが放出され、宇宙空間に飛び立つ姿は、打ち上げとはまた別の感動がありました。
放出後、Emmaは無事軌道に乗り、通信を開始しました。人工衛星の肝はこの通信になるので、ドキドキしながら結果を待っていましたが、そちらも見事成功。 実はコスモ女子の自前のアンテナで受信に成功する前に、全国のアマチュア無線家の方々から「Emmaの産声が聞こえました!」とご連絡をいただき、通信成功を知った形でした。 今後は1日数回Emmaが日本の上空を通過する際に通信をして、ミッションを進めていきます。
今回の打ち上げを通じて、改めてたくさんの方々に応援していただいたからこそ、ここまで辿り着けたことを感じました。 本当にありがとうございました。これからも新しいことに挑戦していきたいと思います!
井口 恵 :Kanatta代表取締役社長