世界も驚いた「日本人宇宙好き女子」の衛星打上げ、打ち上げ時のリアルすぎる様子&秘話 スペースX社「ファルコン9ロケット」で快挙へ
打ち上げまで15分を切った頃、信じられない言葉が飛び込んできました。 「今日の打ち上げは中止です」 「えっ、ここにきて中止!?」 まったく理解が追いつかないまま、流れるように打ち上げ場所を後にする観客に急かされる形で、私たちもその場からの移動を余儀なくされました。 ■奇跡に近い「ロケット打ち上げの条件」 後から知ったのですが、ロケットの打ち上げにはさまざまな制約があり、少なくとも打ち上げ前の2時間はずっと快晴であることが必要なのだそうです。
それだけ聞くと2時間くらい晴れるだろうと思ってしまいがちですが、8月のフロリダ州は「雨季」真っ只中。1カ月のうちなんと20日間は雨が降るのです。 それ以外にも上空の雲の状況など、さまざまな条件が揃わない限り、ロケットは飛びません。 突然の打ち上げ中止に落胆していた私たちでしたが、嬉しいことに打ち上げは次の日にリスケになりました。気を取り直してその日は少し観光をした後、ホテルで体を休めることにしました。
ちなみに今回の宿泊先はケネディ・スペース・センターからすぐの場所にある、宇宙をテーマにしたホテル。大好きな宇宙に囲まれて幸せな一晩を過ごし、翌日また打ち上げ場所に向かいました。 天気予報は、次の日からハリケーンが上陸するニュースで持ちきりでした。1週間の滞在を予定していた私たちにとって、翌日のハリケーン上陸は、この日に打ち上がらなければ現地で打ち上げを見届けることはほぼ絶望的になることを意味していました。
「お願いだから、今日打ち上がってください……!!」 そう祈りながら、私たちは射場に設置されているファルコン9を見つめていました。前日に中止を発表したアナウンス担当の男性も、こと細かにロケットの状況を実況してくれます。 30分前に燃料が補給され、その後も順調に準備が進んでいき、いよいよカウントダウンが始まりました。 ■いよいよ「クライマックス」へ! 「3、2、1……」 カウントダウンが終わり、ついにロケットが発射しました!