その外観からミッドシップエンジンであることがすぐに分かる造形。直線的なデザインが先鋭さを強調する

スーパーカーブームにおける大型スーパーカーの2大巨塔の一角がフェラーリ512BBだ。 多数のスーパーカーが登場するサーキットの狼でももちろん登場するが、役回りは悪役としてであった。 【画像17枚】中心から折れるような独特のデザインが採用されているBB512iのエンブレム。助手席の前に取り付けられている 【サーキットの狼世代へ　スーパーカーの饗宴|フェラーリ512BBi【後編】】 「サーキットの狼」劇中に登場したのは、フェラーリ512BB。このクルマは1976年から販売されていた、キャブレターモデルだ。 V12のミッドシップエンジンとして登場した365GT4BBの後継モデルにあたる。365GTの365は1気筒あたりの排気量を表していたが、512からそのルールを変えて、5リッターエンジン、12気筒を意味するようになった。 BBはベルリネッタとボクサーの頭文字を取ったもので、それぞれ、2ドア、対向エンジンを意味している。 ボディデザインにはピニンファリーナが参加している。 ミッドシップレイアウトを生かした低い車高に風を切るような流麗なシルエット。 そして、サイドには印象的なエアーインテークが刻まれていた。どれをとっても先進的で、スーパーカーらしいシルエットにまとまっている。 サーキットの狼ミュージアムに展示されているクルマは1981年に登場したフェラーリ512BBiで、劇中モデルのマイナーチェンジタイプ。 iはインジェクションを表している。 ランボルギーニ・カウンタックと最高速度を競っているような体ではあったが、排ガス規制対策もあり、出力を下げられ、最高速も280㎞/hに抑えた。しかし、インジェクションのおかげで、始動性などもよくなり、乗りやすいクルマへと進化していた。 フェラーリ512BBi 全長×車幅×全高：4400×1830×1120mm ホイールベース：2500mm トレッド 前/後：1500mm/1500mm 車両重量：1580kg エンジン：180度V型12気筒DOHC 縦置きミッドシップ 総排気量：4942㏄ 最高出力：340PS/6000rpm 最大トルク：46.0kg-m/4200rpm 生産年：1981~1984年 生産台数：1007台(512BBiのみ) 生産国：イタリア ※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる 初出：ノスタルジックヒーロー 2019年 12月号　Vol.196 （記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）