三菱自動車は雪国で走る人に照準…完成車メーカー各社が最新車両で提案する運転以外の楽しみ方
時代越えても不変 カスタムの魅力
自動車業界にとってカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)やCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応が喫緊の課題である一方、不変の価値である「楽しさ」の追求も欠かせないテーマだ。14日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開かれたカスタムカーの展示会「東京オートサロン2024」では、完成車メーカーなどがスポーツ車やアウトドア向け車両などを出展。車の運転とともに、移動先での使用など多様な楽しさを提案した。 【写真】三菱自動車が雪国で走る人をターゲットにしたピックアップトラック「トライトン スノー・シュレッダーコンセプト」 「オートサロンはクルマ好きが、クルマを囲んで笑顔に包まれるお祭り」と話すのはトヨタ自動車の豊田章男会長。12日のプレスカンファレンスではレーシングドライバー「モリゾウ」として登壇し、「ここで生まれた笑顔は、自動車産業の元気につながる」と強調した。 トヨタは新型の小型スポーツ車「GRヤリス」を東京オートサロンで世界初公開した。8速自動変速機(AT)「GR―DAT」を新たに開発し搭載する。既存の手動変速機(MT)に加えATを用意することで、走る楽しさやモータースポーツの裾野の拡大を期待。2024年春ごろの発売を予定する。 ホンダは「シビックRSプロトタイプ」を世界初公開した。爽快な走りが特徴の乗用車「シビック」に6速MTの専用グレード「RS」を追加した。24年秋の発売に向け開発を進める。ホンダの高倉記行日本統括部長は「デザインや走りをそれぞれの思いでカスタマイズする気持ちは、時代を越えても変わらない」と話した。 日産自動車はNISMO(ニスモ)専用チューニングで最高出力をベースモデル比約10%向上させたクロスオーバー電気自動車(EV)「アリアNISMO」を公開した。 日産モータースポーツ&カスタマイズ(神奈川県茅ケ崎市)の片桐隆夫社長は「EVのパイオニアとして培ってきたノウハウを活用し、過酷なレースを通じて得た技術を相互に活用しながら、お客さまにより魅力あるEVを提供したい」と述べた。