ゆとり先生の教育提言(3) 「18歳成人」高校生はどう考える?
イベント準備もかなり大詰めを迎えていた2020年2月下旬、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、イベントを中止した方が良いのではないかという声が聞こえはじめ、臨時の実行委員会が開かれました。 2月下旬の段階で、厚生労働省は「イベント等の主催者においては、感染拡大の防止という観点から、感染の広がり、会場の状況等を踏まえ、開催の必要性を改めて検討していただくようお願いします。なお、イベント等の開催については、現時点で政府として一律の自粛要請を行うものではありません」と、割とあいまいで、どの策を取るのがベストなのかよくわからない状況。4時間近くにおよぶ議論の末、出した答えは「無観客で開催し、インターネットによる生中継を行う」ということ。 すでに販売したチケットの回収、報道機関への開催形態変更の発表、インターネット中継の準備とその告知など急ピッチで進めていきました。彼らの様子をすぐ近くで見ていましたが、開催まで時間が無く、短時間で判断しなくてはいけないことが非常に多く「あー、私だったらこうするのに……」と先回りして口や手を出したくなるのをグっとこらえて、最低限のヒントを与え、準備の行く末を見守ります。 そして迎えた18サミット当日、準備していたプログラムは概ね順調に進み、無事開催することができました。ここに至るまで、高校生の頑張りはもちろんですが、運営の方法や、資金協力などで、厳しくも愛情ある姿勢で支えていた周囲の大人の存在も忘れてはいけません。
閉幕後の実行委員会による反省会では、すぐに来年度の「18サミット」の段取りが始まりました。もちろん最終目標は、2023年3月に「18歳成人式」を高校生たちの手で開催すること。そのとき、今年18サミットを開催した実行委員はすでに高校生ではありません。実行委員の1人はこう言いました。「僕たちが今年開いた18サミットを、後輩たちが毎年引き継いで、3年後に自分たちの『成人式」を創ってほしい。そのときは、一足先に『大人』になった僕たちがサポートしたいね」 コロナ騒動にも負けずにやり切った彼らとその後輩たち。きっと「18歳成人式」を実現させてくれると信じています。