キャンパスノートのロゴ位置が違う!限定色マーカーもある!?「ファミマ×コクヨ」コラボ文具の開発秘話
◆コンビニの文具に新しい便利と遊び心を
ただ、ファミリーマートでは従来から文具も売っています。それこそ、ボールペンのインクが切れた、シャープペンの芯がない、ハサミが必要になった、接着テープを買わないと、といったときに、コンビニは心強い存在です。 「まずは、ファミリーマートの“コンビニ”としての需要があります。インクが切れた、シャープペンの芯がなくなった、といった緊急時の需要ですね。 その実績のある商品群と、コクヨさんが持っている“何が市場として売れているか”という膨大なデータが合わさると、チャレンジするかいのあるマーケットを作ることができるのではないかと考えました」とファミリーマートの永松さん。 コンビニなので当然、棚のスペースは限られています。ただ、コンビニとしてどうしてもそろえておく必要のある文房具というのもあります。例えば、ハサミやカッターナイフ、のり、ノートなどは外せません。 そして、従来のコンビニには置かれていなかったけれど、今回、新しくラインアップに入れた文具もあります。 「ハサミを買いに来られたお客様には、このコンビニエンスウェアのハサミを買ってくださいということになります。ファミリーマートではハサミは、自信のあるこの商品を買ってくださいというところなんです。 普通のハサミとスライド式の携帯用ハサミの2種類を用意しています。このスライド式ハサミも、文具好きには見慣れたアイテムですが、コンビニのお客様にはすごく斬新なアイテムに映るんです。 実際、『買ってみたら便利だった』という声をたくさん聞いていて、いい提案だったなと思います」とファミリーマートの永松さん。
◆コクヨの従来品をベースにしながら、ファミマでしか買えない新しさをプラス
今回の製品は、基本的にはコクヨの従来品がベースになっています。ところが、よく見ると少しデザインなどに変更が加えられています。 例えば、ホッチキスやスライド式ハサミなども、エッジの部分に少し面取りのような具合で角度が付けてあります。 「今回のアイテムに入っているシャープペンシルは、ベースはコクヨさんの『鉛筆シャープ』なんです。この鉛筆の形は小学校時代に使ったことのある形ではないでしょうか。 この形に、懐かしさも新しさもあると考えて、鉛筆のようなエッジを共通のデザインとして全てのアイテムに取り入れています。それが落合さんのデザインポイントのひとつでもあるんです」と永松さん。 アイテムの選定は、ファミリーマートとコクヨの間で何度もやり取りを重ねながら決めていったと言います。 「イメージを落合さんから伺って、それを元にコクヨでたたき台を作りながら、キャッチボールをして合わせていくような感じでした。 週に1回以上、およそ10カ月間、コクヨのオフィスに落合さんがいらして、こんな風にしたい、あんな風にしたいとお話しされるのを聞いて、コクヨで試作品を作るという感じでしたね」とコクヨの矢野さん。 打ち合わせの次週には試作品ができ上がっている、そのスピード感に落合さんも永松さんもビックリしたそうです。 「今回は、最初から“かなりの量を作る製品”として開発する必要がありましたし、細かいデザインが要求されるので、コクヨとしても全く新しい取り組みとして、体制も新しくしました。 弊社は、モノによって開発担当者も異なるため、さまざまな担当者を横断して開発するというのは本当に新しいチャレンジでした」と矢野さん。