朝ドラ「虎に翼」ヒットの「はて?」伊藤沙莉が演じる女性法曹の開拓者、ジェンダー不平等社会の“今”
男女不平等社会に寅子はどう生きる
「はて?」は、日本の男女不平等社会を照らし出す言葉である。 ジェンダー・ギャップ指数の国際比較(2023年)を見てみよう。 1位にアイスランド、2位にノルウェー、3位にフィンランド……。日本は125位である。 今回のドラマのモデルとなった三淵嘉子が、切り拓いた法曹分野はどうか。 女性が占める割合は、裁判官が22.6%(19年)、検事が25.4%(20年)そして弁護士が19.1%(20年)である。1976年からの動向をみると、それぞれ上昇傾向にある。 寅子の人生はこれからも波瀾万丈である。戦争をはさんでドラマは展開されるのだろう。脚本の吉田恵里香がどこまで三淵の人生を描くのかは興味深い。 先の「三淵嘉子」(青山誠著)によれば、結婚と別れ、再婚……。仕事の面では戦後の家庭裁判所制度の確立作業などにもかかわっている。 伊藤沙莉の演技力ならば、これからのドラマの展開の楽しみが増すばかりである。
田部康喜