点字ブロックに貼られたQRコード→読み取ると…東京メトロで広がるナビシステムとは【開発会社に聞いた】
足掛け5年の実証実験を経て実用化
shikAIは東京メトロが募集した「Tokyo Metro ACCELERATOR 2016」(鉄道事業課題解決プログラム)に採択され、本格的に開発が始まった。東京メトロの総合研修訓練センターで実証実験が重ねられ、実際に営業している辰巳駅と新木場駅での最終検証を経て、2021年1月に東京メトロの5駅がアプリに対応した。同年3月には9駅に拡大し、現在は8路線20駅と「東池袋駅~豊島区役所間」「東池袋駅~豊島区中央図書館(ひかり文庫)間」「豊島区役所~豊島区中央図書館(ひかり文庫)間」など自治体の施設へも広がっている。 実証実験に参加した人からは「広い駅構内を移動するときに出口が分からなかったり、階段やエスカレーターの場所が分からなかったりしたことが度々ありましたが、shikAIはまるで横にガイドさんかヘルパーさんに付き添ってもらっているようです」と、使い勝手の良さに満足する感想が寄せられたそうだ。 shikAIはもともと東京メトロが募集したプログラムに採択されたことから開発が進められたため、導入駅は東京メトロに集中している。だが、2020年にはJR西日本の新神戸駅、2022年には同じく大阪駅でも実証実験が行われた。現在は大阪にも1カ所、大阪駅うめきたエリアに導入されている。 shikAIのアプリは無料でダウンロードでき、視覚障がいのない人にも、分かりづらい乗り換えのナビゲーションとして利用できるのが大きな利点だ。 今後もしばらくは乗り換えの案内を主に広げていきたいそうだが、QRコードのシールを勝手に貼るわけにはいかない。鉄道会社や自治体などへ、地道に働きかけていくという。また2025年には、機種限定でAndroid対応も予定しているという。 (まいどなニュース特約・平藤 清刀)
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