岸田の言うことは聞かなくていい…リニア問題スピード解決を迫られる鈴木知事の「最大の心配ごと」
「条例上認められない」JR東海の計画
一方、藤島残土置き場は、2021年7月の熱海土石流災害を踏まえ、2022年7月施行された静岡県盛り土条例で重金属など要対策土の盛り土を原則、禁止したから、現時点では認められていない。 静岡県がことし2月5日に発表した『今後、対話を要する事項』に、「藤島残土置き場」計画が盛り込まれた。 そこには「現在のJR東海の計画は条例上、認められない」とひと言あるだけである。 そのひと言だけで、簡単にはいかないことがわかる。 2021年7月の熱海土石流災害を教訓に、静岡県は2022年7月、非常に厳しい独自の盛り土条例を施行した。 基準値を超える自然由来の重金属などが含まれる要対策土の盛り土を原則禁止した。 その条例を根拠に、県はJR東海に藤島残土置き場計画の見直しを求めてきた。 川勝氏は「藤島残土置き場について、リニア計画時にこのような厳しい条例は制定されていなかった。新たに制定された条例に書かれている通り、要対策土の盛り土は認められない。適用除外にならないこともはっきりしている」と何度も繰り返した。 森副知事も2023年2月14日の国の有識者会議で、「藤島残土置き場は工事現場から離れているので適用除外の要件を満たさず、適用除外とはならない。藤島残土置き場計画を認められない」と頭から否定した。 県は、要対策土について大井川流域外への搬出をJR東海に要請してきた。 いちばん近くの処理場まで100キロ程度離れていることもあり、約10万㎥もの発生土を運搬するのは経済的にもトラックの往来による環境影響などの点からも合理的ではない。 このため、JR東海は「二重遮水シートによる封じ込め対策を行い、遮水型として要対策土対策を取る。近くには井戸水等の利水状況がないこと、河川からの高さ(約20メートル)が十分あり、増水による影響が極めて小さく、排水管理が十分実施できる計画」など万全の封じ込め対策を取るとして、県に適用除外となるよう理解を求めている。