古民家再生で地域振興 福島県いわき市の建築家・豊田さん 改修中のゲストハウス 3月にプレオープンへ
福島県いわき市の建築家・豊田善幸さん(55)は同市中之作の1軒の古民家で内装作業に取りかかっている。「ものづくりの楽しさから地域課題と向き合いたい」と寒さの中でも情熱を燃やしている。 本業で設計事務所を営んでいる豊田さん。妻の千晴さん(42)と共に、NPO法人中之作プロジェクトの活動などを通して、これまでも古民家の再生や地域振興に取り組んできた。2011(平成23)年の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から立ち上がる港町を日々見つめている。 現在、改修している古民家はゲストハウス「enoto(えのと)」。来年3月にプレオープンし、来夏の本格稼働を目指している。住民参加型のDIYを通じ、移住者や地域住民の憩いの場として受け入れる準備を進める。活動の中で、多くの人と対話をしながらコミュニティーの希薄化を防ぐことにも一役買っている。 古民家のある同市中之作では高齢化や過疎化が進んでいる。そのような中で、地域を自分たちの手でデザインし、積極的に自分の住む町の未来に関わり続けるという矜持(きょうじ)を示す。夫妻は「1件でも空き家を減らし、地域振興につながる働きかけをしていきたい」と意欲は十分だ。
◇ ◇ 来年1月23日まで、内装資材費用に対するクラウドファンディングを実施している。目標金額は100万円。詳細はQRコードから。