広がる“LGBTQ向け”高齢者施設 差別や老後の不安抱えていた入居者は… アメリカ
施設の責任者 クリスチャン・カポさん 「LGBTQの高齢者には、社会的なサポートが不足していることが多いのです。彼らの多くは、支えてくれる家族が何年間もいなかった。ここの入居者たちは、人生の終わり方や経済的な問題、医療の必要性など、つらいことや重要なことを話し合えるんです」 日本では、高齢者施設でのLGBTQ支援はまだ進んでいませんが、この施設は、政府や州の助成金などで運営されているため、月額約6万円から9万円で入居することができます。 ディナ・ジェイコブスさん(トランスジェンダー女性) 「居心地が良かったから、ここが自分の住むべき場所だとすぐに思えました。この家に安く住めるのは私にとって、まさに恩恵です」 さらに、HIVに感染しているため、1日1回の服薬が欠かせないディナさん。施設の中にはクリニックが併設されていて、HIV感染者向けの治療も受けることができます。 ディナ・ジェイコブズさん(トランスジェンダー女性) 「一度とても気分が悪くなって、救急車を呼んでもらったことがあります。ここに住んでいて良かったと思いました」 ◇ 施設をサポートする職員の多くも、LGBTQ当事者です。入居者たちは、居心地の良さを感じています。
ジェシモーナさん(レズビアン女性) 「LGBTQのスタッフは私たち入居者に心を寄せてくれていて、みんなここにとどまりたいと感じています」 ジェレミーさん(ゲイ男性) 「ここはとても快適です。ゲイの隣人がいて、中にはHIV陽性者もいる。すべてが当然として存在しているのです」 入所者が自分らしく暮らせて当たり前の施設。 ディナ・ジェイコブスさん(トランスジェンダー女性) 「この場所で暮らせて、世界で一番幸せだと思います」 LGBTQの老後の不安への対応が、日本でも求められます。