【博多ストーカー殺人】裁判メモ(1)「結婚を考えた」女性に、男は「刃物を手に取り」「17回刺した」
◆2人の出会いは?(検察側の冒頭陳述)
検察側は冒頭陳述で次のように述べました。 <寺内被告と川野美樹さんの関係について> ・川野美樹さんはシングルマザーで、両親と娘と暮らしていた。2020年10月ごろから平日は人材派遣会社で勤務を始め、週末は飲食店でアルバイトをしていた。 ・寺内被告は2021年12月ごろからショットバーでバーテンダーとして働き始める。ショットバーは川野さんがアルバイトしている飲食店と同じ系列店。2022年4月ごろ、ショットバーに客と一緒に訪れた川野美樹さんと知り合い、交際が始まる。その後、次第に川野さんの浮気を疑い、行動を束縛するようになる。
◆「何年掛かってでも恨んだるから」(検察側の冒頭陳述)
<殺人事件当日までの経緯について> ・2022年4年10月21日~23日、寺内被告は川野さんの浮気を疑い、川野さんの携帯電話を取り上げたり、出勤に待ち伏せしたりする。また、川野さんの携帯電話に交際中の写真や動画を大量に送信する。その中には、川野さんに不名誉なプライバシーを侵害するものも含まれていた。川野さんは愛想を尽かし、このころには寺内被告との交際関係が破綻していた。 ・10月24日、川野さんは警察に相談する。警察は寺内被告に対し、ストーカー規制法に基づく警告(つきまとい行為をしてはならない)を出す。 ・11月10日~21日、寺内被告は川野さんを勤務先会社で待ち伏せしたり、居酒屋で川野さんと話をして復縁を求めるが、川野さんに拒まれ、川野さんの勤務先の会員制クラブに押し掛ける。 ・11月23日、午前4時10分、寺内被告は3回にわたり、川野さんの携帯電話に電話をかけるが、川野さんは着信拒否していた。 ・午前2時39分~午前4時17分、寺内被告は川野さん宛てに5通のメッセージを送信した。 「おばはん警察に何言うた」 「おどれ何年掛かってでも恨んだるから覚えとれや」 「お前の家近くの喫茶店おるから6時に来いや」 「おばはんあんま舐めてると後悔すんぞ」 「わしはしつこいからの」 ・午前9時30分ごろ、寺内被告は川野さんの勤務先会社に電話をかけ、従業員に「川野さんおる?あの女は人の人生めちゃくちゃにして謝罪なしか。あの舐めた女に言っとけ。」と言う。 ・午前11時26分、川野さんは従業員から電話の件を伝え聞き、警察に相談する。警察は寺内被告にストーカー規制法に基づく禁止命令(反復してつきまとい等をしてはならない)を出す。 ・その後、寺内被告は、川野さんから二度にわたりストーカーとして警察に被害申告されたことに立腹し、川野さんに対するいら立ちを募らせる。川野さんに会って文句を言い、謝罪をさせたい、川野さんの返答いかんによっては川野さんを殺すかもしれない、などと考える。