がん細胞をピンポイントで死滅 光免疫療法2例実施 無事終了/弘大病院(青森・弘前市)
がん細胞にレーザー光を当て、ピンポイントで細胞を死滅させる光免疫療法(アルミノックス治療)の青森県内2例目と3例目が6日、弘前大学医学部付属病院で行われ、無事終了した。10月に同病院で行われた1例目は歯科口腔(こうくう)外科が担当したが、今回の2例は耳鼻咽喉科頭頸部(けいぶ)外科が担当した。治療に当たった同科の工藤直美講師は「根治を狙える新しい治療法が県内で実施できるようになったのは意義深いこと」と話した。 治療を受けたのは、ともに県内在住の口腔がんの70代女性と鼻腔(びこう)がんの60代男性。外科手術や放射線治療を受けていたが再発していた。 5日にがん細胞に付着する薬剤を投与した後、6日、光ファイバーでレーザー光を照射。両治療とも1時間半程度で終了した。1~1カ月半後にCTやMRIで治療効果を確認する。 今回、指導医として立ち会った秋田大学の鈴木真輔准教授(耳鼻咽喉科・頭頸部外科)によると、同准教授が秋田大病院で治療を行った10人のうち8人はがんが完全に消滅した。同准教授は「以前は青森から秋田大へ治療に来る人もいたが、弘前大で治療できるようになったことで患者の負担が減る」と話した。 同治療の対象は、切除ができない局所進行、または局所再発の患者。2021年1月から頭頸部外科で、23年12月から歯科口腔外科で保険治療が開始された。