「“インディロックの歩み”に重要なバンドだった」 ヴァンパイア・ウィークエンドの凄さとは?
4月5日(金)に5年ぶりとなる待望のニューアルバム『Only God Was Above Us』をリリースするヴァンパイア・ウィークエンド(Vampire Weekend)の魅力について妹沢奈美さんが解説。ASIAN KUNG-FU GENERATION・後藤正文もメッセージを寄せた。 ヴァンパイア・ウィークエンドを特集したのは、4月2日(火)に放送されたJ-WAVE『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。音楽を愛する全ての人と作り上げる(超)進化型音楽番組だ。
彼らの登場なくしてインディロックの歩みは進まなかった
ヴァンパイア・ウィークエンドはアメリカ・コロンビア大学在学中の2006年にエズラ・クーニグ(Vo./Gt.)、ロスタム・バトマングリ(Key./Vo.)、クリス・バイオ(Ba.)、クリストファー・トムソン(Dr.)の4名で結成したロックバンド。早くから注目を集め、激しい争奪戦の末にXL Recordingsというインディレーベルと契約。2008年『Vampire Weekend』でデビューして全米・全英チャートでいずれもトップ20入りを果たす。その後、期待が高まる2作目『Contra』で全米チャート1位を獲得。このときにはグラミー賞にもノミネートされている。 2013年には3作目の『Modern Vampires of the City』をリリース。この作品でグラミー賞の最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞を受賞。さらにインディロックバンド史上初となる2作連続全米1位の快挙を成し遂げた。2016年には結成メンバーであるバンドの中心人物であるロスタム・バトマングリ(Key./Vo.)が脱退を発表。その後、メジャーレーベルに移籍し、2019年に『Father Of The Bride』をリリースした。この作品でも全米チャート1位を獲得したほか、この作品でもグラミー賞の最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞を受賞。またグラミー賞の4大主要部門と言われる最優秀アルバム賞にもノミネートされるほど評価をされている。 そんなヴァンパイア・ウィークエンドは4月5日(金)に5年ぶりとなる待望のニューアルバム『Only God Was Above Us』をリリース。 あっこゴリラ:もう世界的なスターなんですね。 妹沢:特にイギリスはインディギターロックにとても嗅覚が強いというか、いいものを発見する力が長けている国なので、イギリスでもすごく人気ですし、フランスのインディファンと話すと「ヨーロッパでも人気だよ」と熱く語られるほど人気があります。 あっこゴリラ:どこかイギリスのバンドみたいなイメージが強いんですよね。でもアメリカのバンドだったんだって(思いました)。 妹沢:すごくわかります。 ここでASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文のメッセージを紹介。ヴァンパイア・ウィークエンドの過去作で特に気になる1曲として『A-Punk』をセレクトした。 後藤:思わず、くるりも楽曲で引用するような、あのイントロはすごいですよね。心が持って行かれるというか。彼らの登場なくしてインディロックの歩みって進まなかったところもあると思うので重要なバンドだと思っています。 後藤の「インディロックの歩みに重要なバンドだった」との言葉を聞いて、妹沢さんは「まさしくその通り」とうなずく。 妹沢:この曲もそうですけど、彼らはロックの真面目さというより、ふっと何かをずらすというかユーモアがあるというか、そういう音楽ってしばらくアメリカのロックシーンに現れていなかったんですよね。イギリスではアークティック・モンキーズが2005年くらいに出てきて雰囲気が変わったんですけど、アメリカではまだだったんです。そこでヴァンパイア・ウィークエンドが出てきていろんなことが変わり始めました。