知る人ぞ知る、会員制の日本酒ブランド「F1625」とは
現在、会員数は300名ほどで、その属性は経営者、個人事業主、コンサルティング、医療系、PR関係、デザイン系などさまざま。 会費は設けておらず、会員になると、メールマガジンにて新商品情報やイベントの案内が届く仕組みとなっている。 ■災禍のなかで奇跡的に生まれた最新ヴィンテージ「いのたち2024」 そんな「F1625」からリリースされた最新ヴィンテージ「いのたち2024」は、初々しく非常にフレッシュな甘い香り、透明感のある軽い旨味、鼻腔を満たす余韻が印象的な一本だ。
特性の異なる酵母を掛け合わせることで、香りの複雑性と厚みを引き出すことに成功。優れた酒米が入手できたことから、ほどよいコメの主張を感じさせる立体的な旨味を生命線に、軽い酸のニュアンスやストラクチャーが生きる仕込みを実施し、みずみずしく、飲み応えのあるリッチな味わいに仕上げたという。 「2023年12月下旬から仕込みを始め、1月1日の能登半島地震では酛(もと/酒母)の状態でした。酒母タンクが地震の揺れで大きく傾き、あと2cmずれていたら倒伏していましたが奇跡的に難を免れ、酒質に影響がなかったことが造り手の大きな喜びとなりました。このお酒が宿す生命力、飲み手の前で一瞬だけ花が咲くような鮮烈な印象を楽しんでいただきたいと思います。」(同ブランドオーナー) 造り手のこだわりはさることながら、その特別な背景も味わいの一つと言えるだろう。 会員になるには、すでに会員となっている人や、取り扱いのあるレストランからの紹介が必要。ぜひ機会が巡ってきたら、特別なメンバーシップに名を連ねてみてはいかがだろうか。
横山茉紀