国内導入わずか206台! クーペ×ミニバンのクロスオーバー? ルノー・アヴァンタイムとは?『さいたまイタフラミーティング2023』で見つけた名車・旧車vol.8
フランス車が一味違うのは開発したフランス人が見ている世界が我々と違うから
フランス車の中には常人の理解を超えたコンセプト、奇妙キテレツな設計、風変わりなスタイルのクルマも少なからず存在する。こうしたアクの強いクルマを目にして、ひょっとしたら「どうせワイン片手に酔っ払って設計したクルマなのだろう」と思う人もいるかもしれないが、それは大いなる誤解だ。 ジョン・レイノルズ著『シトロエン 革新への挑戦』(二元社CG BOOKS刊)や武田隆著『ルノーの世界ーフランスの歴史ある自動車メーカー』(三樹書房刊)あたりの本を1冊読めばわかることだが、彼らのクルマ作りは真面目も真面目、大真面目だ。 例えば、フランスを代表する大衆車のシトロエン2CVは「農村の人たちでも購入できる小型で安価な移動・運搬手段を作る」という社会正義と高邁な精神から生まれている。その結果生まれたのが「醜いアヒルの子」「ブリキの缶詰」「回る異状」と揶揄されたあのクルマなのだ。 おそらく、フランス人と日本人……いや、フランス以外の国の人と言っても良いのかもしれない……は、目に見える世界がまるで違うのだろう。論理思考回路が異なるとでも言うべきか? なんともなればフランス人は、世界で初めて革命で王を倒し、民主主義を実現した人たちでもある。その根底にあるのは徹底した合理主義と個人主義、他人や流行に流されない自我の強さだ。そんな彼らのモノ作りはひと味もふた味も違っていて当然だろう。それは1+1=2という小学生でもわかる答えを、わざわざ複雑な数式を使って導き出すようなもの。回答は正しい。ただし、数学者でもない限り、計算過程は盤根錯節なものに見えてしまうし、そのような計算式をなぜ用いたのかは、彼ら以外には理解しがたいことではあるが……。
ハマまる人はハマり、それ以外の人はそっぽを向く
しかしながら、フランス車の持つ世界観がある程度でも理解できるようになると、その開発理念と優れた合理性、時代を超越した先進的な設計による魅力に嵌まり込んでしまう。先ほども述べた通り、思考ロジックは異なるがクルマとしての有様はけっして間違っていないのだ。 それが証拠に初見では何ともとっつきにくい往年のシトロエンのようなクルマでも、3日も乗れば慣れ、1週間もすると設計や開発理念が理解できるようになり、1ヶ月が経つ頃には「もはやクルマはこれしか考えられない!」となってしまう。もちろん、そうした境地に至らず「こんなクルマ乗っていられるか!」とばかりに投げ出してしまう人もいるだろう。それはそれで構わないと思う。
【関連記事】
- 『ガールズ&パンツァー 劇場版』や『最終章』第4話で活躍する「継続高校」BT-42突撃砲のクリスティー式サスペンションとは? その成り立ちを探る!
- 300psの同じエンジンでも価格差は約1000万円!ルノーとアルピーヌはどっちが速い?【東京オートサロン2024】
- ルノー・トゥインゴに日本向け最後となる限定モデル「エディション フィナル」が登場! 300台限定で289万円
- ルノー・スポール最後の一台「ルノー・メガーヌ ルノー・スポール」【最新スポーツカー 車種別解説 RENAULT MEGANE R.S】
- 『ガールズ&パンツァー』はクルマネタの宝庫! 大ヒット上映中の『最終章』第4話も見逃すな! キミはクリスティー式サスペンションを知っているか?