ダイハツ不正問題 ターニングポイントになった「ミライース」短期開発の成功体験
ジャーナリストの佐々木俊尚が1月17日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ダイハツの不正問題について解説した。 【写真】ダイハツ工業が池田市に寄贈した「ミライース」
ダイハツ不正問題、国土交通省が是正命令
ダイハツ工業の品質不正問題で、国土交通省は1月16日、ダイハツに対し組織体制の抜本的な刷新を求める「是正命令」を出した。道路運送車両法に基づく処分で、一連の不正の背景として企業体質に問題があると判断した。 飯田)是正命令は、エンジンの排ガス規制に関してデータ不正があった日野自動車に続いて2例目です。 佐々木)予想以上に影響の範囲が広がっています。ダイハツ単体では、それほど車の市場シェアは大きくないかなと思っていましたが、意外とOEMでいろいろなところに供給しているのです。例えば、タウンエースもそうです。 飯田)トヨタのタウンエース。ブランド名は発注会社の名前ですが、実際はダイハツです。 佐々木)私は軽井沢と福井でハスラーとジムニーに乗っているのですが、軽井沢は山が多く、軽自動車だとパワー不足なのでそろそろ買い替えようと思っていたのです。スズキがEV(電気自動車)を出すというので、EVに代えようかなと。日産がサクラというEV軽自動車を出していますが、軽とは思えないぐらいパワーがあって人気なのですよ。 飯田)EVは踏むと「ヒュン」と行きますよね。パワーがあります。 佐々木)楽しみにしていたのですが、そのスズキの車もダイハツからのOEMだったのです。ダイハツ・トヨタ・スズキからOEMで同じ車を出すような形でしたが、今回の騒ぎで3月の発売予定が延期になってしまいました。 飯田)佐々木さんも影響を受けていたのですね。 佐々木)そうなのです。
ターニングポイントになった「ミライース」短期開発の成功体験
飯田)理容師で木更津にお住まいの“ルパンの忘れ物”さん(60歳)から、「私はダイハツの車に乗っています。昨日車検が無事に終わりました。ダイハツには安心・安全性を回復させて欲しいです」とご意見をいただきました。 佐々木)いろいろ話を聞くと、2011年に発売された「ミライース」がターニングポイントになったようです。もちろん、それ以前から不正はあったという話ですが、ミライースの短期開発が成功して、大ヒットしてしまった。それで味を占め、短期間での開発が標準になった結果、「そんな短い期間で開発するのは技術力的にも人員的にも無理だ」という状況を無理強いされてこうなっていった。