債券投資家は中立スタンス、米利下げ予想も大統領選を警戒
Gertrude Chavez-Dreyfuss [ニューヨーク 4日 ロイター] - 債券投資家は今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や接戦の米大統領選を前にディフェンシブだが中立的なスタンスを取っている。 6─7日のFOMCでは25ベーシスポイント(bp)の利下げが広く予想されている。ただ、債権投資家にとってここ数週間はFOMCより大統領選が大きな注目材料で、勝者が判明するまで資金配分に慎重になっている。 債券投資家は年初から、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和やリセッション(景気後退)の可能性に備えてデュレーションを長期化してきた。選挙後も同様の取引が選好される見通しだ。 インサイト・インベストメントの北米債券責任者ブレンダン・マーフィー氏は「われわれは長期ゾーンで小規模なポジションを開始したが、全体としては中立的に近い」とし、「より積極的なポジションを取っていない理由は選挙を巡る不透明感だ。様子を見るつもりだ」と述べた。 オールスプリング・グローバル・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、ジャネット・リリング氏も、FRBのデータ依存性や米経済指標の変動性、選挙を考慮して中立スタンスを維持していると説明。 「(大統領選の)勝者や議会選の行方を予測してポジションを取るのは無意味だ」とし、「むしろ選挙結果が出たときに動けるポジションを取りたい」と語った。 <ボラティリティーは1年ぶり高水準> 選挙を控えてボラティリティーも高まっている。米国債の予想変動率を示す「MOVE指数」は10月31日に135.18まで上昇し、1年余りぶりの高水準を付けた。これは大部分の期間の米国債利回りが今後1か月間、いずれかの方向に1日当たり少なくとも8.5bp変動することを示唆している。 同指数の開発者でシンプリファイ・アセット・マネジメントのマネジングパートナーのハーレー・バスマン氏は、オプション価格は米国債利回りが6日か7日にいずれかの方向に18bp動くことを想定していると試算した。